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2012/09/27 09:11

コラム

[週刊BCN 2012年09月24日付 Vol.1449 掲載]

インターネットは底の見えない池

【沖縄発】沖縄に来た。6年ぶりだ。着陸態勢に入って、いつものクセでズボンのポケットに手を入れた。「ない、パスポートがない」。ドキッとしたが、今回は国内線なのを思い出して、安堵。苦笑しながら、外の景色を眺めた。前回の沖縄訪問は、沖縄タイムスの友人に招かれて、同社の経営者懇話会で、インターネット時代の到来で変わることについて話した。

▼6年の間に、ITの環境はさらに変化した。スマートフォンやタブレット端末が登場し、Wi-Fiの普及によって、インターネットの利用シーンが格段に増えた。TwitterやFacebookの利用者も爆発的に増加し、友人という定義も変化し始めた。ネット上で昔の友と再開したり、入手したい本との出会いの確率が飛躍的に伸びたりするようになった。交流の新しいかたちがネット内ででき始めている。

▼コンテンツの使用形態も変化している。クリエイティブコモンズの提唱が先鋭的だが、デジタル内のコンテンツ資産をフリーにして、皆で使用しようという考え方だ。青空文庫はそれを実践している老舗だ。「インターネットという底の見えない池に皆でデジタルコンテンツという石を投げ込み、共有しよう」という考え方で活動している。著作権が切れた文学作品のデジタル化を進めている。

▼漫画の作者も革新的な動きをみせた。『ブラックジャックによろしく』の佐藤秀峰さんは、9月15日からこの漫画の二次使用を自由にした。全13巻で1400万冊を売り上げた作品だ。二次使用の料金は作者の利益になる。これを放棄するわけだ。そこにはどんな狙いがあるのだろうか。価値の使用をフリーにして、何が生まれるのか。未知だからこそフリーにして、その進化の過程を覗き見ようというのか。インターネットの池は、当分、底なしだ。(BCN社長・奥田喜久男)

佐藤秀峰さんは、漫画の二次使用をフリーにした

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