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2010/02/25 09:03

[週刊BCN 2010年02月22日付 Vol.1322 掲載]

店頭流通

教育・学習ソフトがプラスに転じる 多様化する学習ニーズが顕在化

 教育・学習ソフト市場に新たな動きが出てきた。同市場は2006年頃、「ニンテンドーDS」の大人向け学習ソフトの人気を追い風として受けて活気づいたが、その勢いは、徐々に沈静化。参入メーカーや新製品が減少し、市場は縮小傾向が続いていた。ところが09年7月、本数・金額ともに前年比プラスに転換。その後10年1月まで前年を上回って推移している。教育ソフトの店頭市場に何が起きたのか。売り場の状況から今後の可能性がみえてきた。

ビックカメラ有楽町店本館4階のPCソフトコーナー

ソースネクストがけん引役に

 教育・学習ソフト市場は、BCNランキングによれば09年7月に本数ベースで前年比44.7%増、金額ベースで15.8%増となり、その後も前年を上回って好調を維持している。メーカー別シェア推移をみると、市場がプラスに転じた09年7月にソースネクストが急激にシェア5割を獲得。20%前後の2位を大きく引き離してトップの座についた。以降、12月までシェア4割前後を占めて推移しており、同社が市場のけん引役を果たしたことは確かだ。

 ソースネクストのシェアが急上昇した要因として、米Paramount Digital Entertainment(パラマウント)の映画タイトルをPC用の英会話学習ソフトにした「超字幕シリーズ」の投入が挙げられる。発売月の7月は、BCNランキングの製品別シェアでみると、上位20機種のうち3製品を除いてすべて同シリーズが占拠。勢力地図を一気に塗り替えたのだ。

ビックカメラ
有楽町店本館
谷口亮太主任
 実際に学習ソフト売り場をみると、「超字幕シリーズ」が、最も目を引く。ビックカメラ有楽町店本館の谷口亮太・4F PCソフトコーナー主任によると、「超字幕シリーズの人気は、数年前のニンテンドーDS版をきっかけにPC版にも人気が波及したプラトの『英語漬け』以来で、現在の英語学習ソフト売り場では一番売れている」と、高く評価している。

 「超字幕シリーズ」は、映画とドキュメンタリー専門チャンネルを合わせて、現在75タイトルがある。好きな作品や興味のある作品で英語を学ぶことができることから、ビックカメラ有楽町店では「男女問わず幅広い年齢層が購入している」(谷口主任)という。映画をパソコンで観ながら学習するという新しい発想が、ユーザーの心を掴んだわけだ。谷口主任は、「今後またタイトル数が増えていけば、ユーザー層はさらに拡大するのではないか」と、期待している。

資格取得ニーズの人気も後押し

 また教育・学習ソフトの売り場では、「超字幕シリーズ」だけでなく、資格取得を目的とした製品の人気も高まってきている。同じくビックカメラ有楽町店では毎年、IPAの「情報処理技術者試験」に向けて年末から、各種資格対策向けソフトの特設コーナーを設けているが、今年は例年に比べて取り扱いについての問い合わせが増えているという。「売り場に置いている願書の減りが例年より早い」など、同店の谷口主任は、PCで学習したいというニーズの高まりを実感している様子。現状では、メディアファイブが投入している行政書士、宅地建物取引主任者(宅建)、情報技術者など国家資格対策ソフトがほとんどだが、「カルチャー系の資格に対応したソフトが出てくると面白いと思う」と、ラインアップの拡充が市場拡大の可能性を秘めているとみる。

石丸電気本店
小泉道敏氏
 そのほか、子ども向けの学習ソフトについては参入メーカーこそ減ってきているものの、「学校の授業で使っているものを購入したいという保護者が多く、がくげいの『ランドセル』シリーズの指名買いが目立つ」(谷口主任)という。一方、石丸電気本店のPCソフトコーナー・小泉道敏氏によると、「秋葉原という場所柄から、ソフトはほとんどが指名買い。しかし、子ども向けの学習ソフトについては例外で、テレビなどの製品を目的に来店した人が、ついでに購入していくケースもある」ようだ。

 教育・学習ソフト市場は、09年7月にソースネクストの「超字幕」シリーズ発売を機にプラスに転じたものの、09年年間の販売本数規模は、07年の半数強。大幅に市場が拡大したわけではないが、「超字幕」が新たなニーズを掘り起こし、一定の需要を喚起したのは間違いない。

 教育・学習ソフトの売り場では、DVD再生機能やタッチ操作に対応しているWindows 7の機能、そして「繰り返し学習に強いというPCの特性が、学習ソフトの価値を高めるキーワード」(ビックカメラの谷口主任)とみている。自己学習方法としてPCで学習するメリットを訴求すれば、今後も需要を掘り起こせるのではないだろうか。


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