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2011/08/01 12:29

[週刊BCN 2011年08月08日付 Vol.1394 掲載]

店頭流通

ヤマダ電機の山田昇会長に聞く中国戦略 「日本の家電量販店は今、最高の出店好機」 (1/3)

 アナログ停波がもたらしたテレビ特需に沸いた家電量販業界。これから先は、「祭りの後」をどう生き抜くかが最大の課題だ。最大手のヤマダ電機は、飽和状態にある日本の市場を飛び出して、中国での店舗展開を開始した。2010年12月に瀋陽でオープンした海外1号店に続き、今年6月には天津、さらに今年中にもう1店舗を開く予定だ。果たして中国で日本のノウハウが通用するのか。挑戦するとしたら好機はいつなのか。山田昇会長兼CEOに中国事業の戦略に聞いた。

山田昇会長兼CEO

天津は予想を上回る盛況、手痛い洗礼も

 ――6月10日に海外2号店としてオープンした「天津本店」の状況はいかがですか。

 山田
 それはもう、十分な手ごたえを感じています。お客様が多すぎて困ったぐらい。すでに天津でも一番店になっていますよ。12月に瀋陽で1号店をオープンしましたが、天津に比べてターゲットにする中間層以上の構成比が少ない。場所も繁華街のややはずれにあります。その点、天津は街のど真ん中の好立地。中間層以上の人口も多いので、売り上げ規模は瀋陽の倍になります。立ち上がりも早いですね。

2011年6月10日にオープンした「天津本店」

 ――オープン当日は、来店客の行列が延々と続いて流れが止まらない状態でした。店舗の運営は順調ですか。

 山田
 実は、オープン当日にトラブルが起きまして……。

 ――どんなトラブルですか。

 山田
 オープンの際に配ったタブロイド版のチラシでパソコンのスペックを実際よりも低く表記するといった誤植が1件ありました。そこで、日本と同様にチラシ価格のまま販売することで対応し、ご指摘なさったお客様のほとんどには納得いただきました。ところが、一部のお客様が騒がれたため、現場が一時騒然となって警察が出動する事態にもなりました。開店からわずか2時間ほどの出来事でしたが、横断幕まで用意して抗議するといった手際のよさに、びっくりしました。警察も明らかに仕組まれたものとの見方をしているようです。

 ――手痛い洗礼を受けたわけですね。

 山田
 チラシには、「万が一チラシ掲載で商品・型番・仕様・価格が印刷ミスによって異なる場合はご容赦ください」と書いてはあるのですが、もともと、オープンチラシを家電量販店が配ることを中国の家電量販店は実施していません。ですので、大きな競合が出店したからつぶしてやろうと、脅威に感じる同業者がいても不思議ではないのです。排除の理論なんですね。競争しながら市場を発展させるといった考えではないのです。それに対して、われわれは正々堂々と正攻法でいこうと決めています。

オープン当日の模様。店内は多くの人で賑わった

 ――その事件の後は、どのような対応をしたのですか。

 山田
 チラシの間違いは、ポスターにして店内に張り出して素直に謝り、次に出したチラシでもお詫びを入れるなどして対応しました。こうした事後処理に対して、行政側からは「さすが一流だね」と評価をいただいています。

 ――「瀋陽店」は開店から半年以上が経過しましたが、こちらの売れ行きはどうでしょう。

 山田
 「お客様第一」という経営の評価が数字であらわれ始めています。会員になっていただいたお客様の9割以上がリピーター。そのリピーターの客単価が上がり、売り上げが大きく伸び始めたのです。「日本式経営は中国でも十分通用する」と、自信を深めました。ただし、手間はかかります。

2010年12月10日にオープンした「瀋陽店」


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