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2010/04/22 09:03

[週刊BCN 2010年04月19日付 Vol.1330 掲載]

店頭流通

<インタビュー・時の人>シネックス 代表取締役社長 渡辺慎一

 海外メーカーからCPUやグラフィックスなどのPCパーツを仕入れ、国内のショップやメーカーに販売するディストリビュータ、シネックス。リーマン・ショックを境に冷え込んだPCパーツ市場のなかで、ディストリビュータとしての役割を改めて問われる事態に直面している。変わりつつある市場環境にどう立ち向かうのか、渡辺慎一社長に聞いた。(取材・文/ゼンフ ミシャ)

プロフィール

わたなべ・しんいち■1970年生まれ。97年シネックス入社。04年営業部長、05年執行役員営業統括本部長、06年取締役営業統括本部長、08年常務取締役営業本部長などを経て、09年7月より現職。

個人ニーズを見極めて自作PC訴求
多くの仕入れ先をもつ強みを生かす

Q 09年のPCパーツ市場は、販売台数・金額とも芳しくなかったが…。

 「確かに厳しい状況だ。PCの自作人口が減っているだけでなく、PCショップが販売チャネルをリアル店舗からウェブへと変更したり、PCメーカーがコスト削減のために生産を海外にシフトしたりするなど、市場環境の変化が大きく影響している。販売代理店にとっても、モノを売るハードルが高くなった。顧客であるPCショップなどでは、代理店の選択基準が非常に厳しくなっている。かつてのように海外からモノを持ってくるだけでは、もうダメだ。代理店の存在価値が問われる時代が来ている」


Q その対策は?

 「われわれのもつ商材を、お客様のニーズに合わせるのが重要だと思う。その一例として、ショップ向けに、値頃感のある3~5点の組み立てキットの提案を始めたことが挙げられる。ショップにとっては、キットという形を通じて、来店者に『このパーツさえあれば、簡単にPCを自作できますよ』というメッセージを送ることができる。われわれはショップに対して、当社の製品が組み立てを体験したいと思うユーザーに最適だということを訴求する」

Q ディストリビュータがひしめくなかで、シネックスの強みはどこにあるのか。

 「当社のように、多くの海外メーカーを仕入先にもっているディストリビュータは、稀有な存在だ。主要なメーカーに加え、われわれしか販売していないメーカーの製品もある。この独自のポジションを武器に、新たなターゲット層を作り出していきたい」

Q 具体的には、どのような層がターゲットになるのか?

 「例えば、60歳以上のシルバー世代だ。組み立てイベントなどには、すでにその世代の方が多く来られる。シルバー世代の場合、PC自作の動機は、完成品より安いという経済的合理性ではなく、新たな趣味にするということ。当社はこれまで、比較的ITリテラシーが高いユーザーをターゲットにしていたが、今後は、そうしたピラミッドの頂上となるユーザーに加え、シルバー世代や小中学生など、幅広い世代のエントリーユーザーを獲得したい」

Q PCを自作するメリットを、具体的にどのように訴求していくのか。

 「例えば、オンラインゲームをしたい人には、『グラフィックボードを追加すればゲームをより快適に楽しめる』だとか、動画を編集したい人には『大容量のHDDが便利』だとか、お客様個人の“やりたいこと”を見極めてメリットを訴求する。PC市場は、ネットブック、ノートPC、デスクトップPCなど、PCのタイプによって、できることが明確になってきた。PC自作のメリットは、もはや『安い/高い』という昔のパターンだけでは伝えきれない。今後は『趣味』の側面をより前面に押し出していく戦略をとる」

Q 完成品のPCを販売したほうが収益が上がるのでは?

 「シネックスが作ったPCを?」

Q そうだ。

 「いや(笑)。やはり、われわれの仕事はパーツを提供すること。それに尽きる」

・思い出に残る仕事

 渡辺社長がシネックスで働き始めた頃、同社はチャネル販売事業を大きな柱としていた。氏は、新たなチャレンジとしてOEM事業に取り組み、案件の獲得に努めた。そのとき、あるメーカーの創始者である会長に「日本で初めてこの仕事を獲得したのはあなただ」と言われたことを、鮮烈に覚えている。チャネル販売以外のビジネスにも、可能性はあるのだと実感した。

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