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2010/07/01 09:03

[週刊BCN 2010年06月28日付 Vol.1339 掲載]

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<インタビュー・時の人>アイギーク 社長 ディビッド L. スミス

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 アップルのMacintosh向けソフトを開発・販売するアイギーク。製品の自社開発を強みにもつ国内ソフトウェアメーカーである。PCソフト市場が伸び悩むなかで、ソフトメーカーは販売方法の転換を迫られている。同社は初心者でも親しみやすいシステムメンテナンスソフトを投入し、国内・海外でユーザー層の拡大を狙う。(取材/佐相彰彦・文/井上真希子)

プロフィール

ディビッド L. スミス■Open Vision、EMC、Apple ComputerなどのIT企業でソフト開発に従事。2000年に米国でMacintosh向けソフトメーカーiGeek,Incを設立。07年には、日本でアイギークを立ち上げた。パートナー企業が開発したソフトのほか、自社開発の製品も扱う。

初心者向けソフトですそ野広げる
細く長く、ユーザーと対話する

Q 今、一番のトピックスは何か。

 「6月9日にディスクメンテナンスソフト『ドライブジーニアス3』を発売した。従来のメンテナンスソフトは上級者向けだったが、PCの環境をモニタリングする機能を盛り込み、初心者でも使いやすいよう配慮した。


 われわれは、自社開発製品と、米国で開発しているパートナー企業の製品の両方を扱っている。これが強みだ。また、パートナー企業の製品を日本にもってくる際には、ユーザーの声をパートナー企業に伝えて日本仕様に変更しているし、同様に自社開発にも生かしている」

Q 「初心者でも使いやすい」という特徴をどのように訴求するのか。

 「PCのメンテナンスはなぜ難しいのか、という話になる。PCに詳しい人は、音楽や写真などのデジタルデータはもろい、とわかっている。しかし、一般ユーザーはそうではない。こうしたユーザーをどのように啓発すればよいか、頭を痛めているところだ」

Q 具体的な方法は?

 「すでに展開している取り組みが二つある。一つはソフトの無料デモ版の提供。すべての製品を揃えている。登録メールアドレス数でカウントすると、国内で約2万人がダウンロードしている。

 もう一つは、当社ウェブサイトのコンテンツ『教えて!iGeek!』だ。2009年2月にオープンした。ソフトとは直接関係ないが、ユーザーがMacを使っていて困ったことに対して回答している。できるだけお金をかけないで解決する方法と、お金をかけて解決する方法、二通りの情報を提供している。

 変化が早いインターネット時代には、何についても即断即決が求められがちだ。だが、ユーザーのなかには、われわれと初めてコンタクトを取った後、数年たって初めて製品を買ってくれる人もいる。少しでも興味をもってくれるユーザーとは、細く長く、対話を続けていきたい」

Q PCソフト市場は勢いがないが、この状況をどう打破していくのか。

 「直面している問題として、PCの低価格化がある。安いモデルでは3~5万円程度で購入できてしまう。そのうえで、1~2万円のソフトが果たして売れるのか、ということだ。ダウンロード、パッケージ、月額課金など、時代に合ったソフトの提供方法を考えていかなければならない」

Q 例えば、iPhoneやiPadのアプリケーションを活用することで、製品を広めることができるのでは……。

 「エンジニアとして興味はある。しかし、事業としては採算が取れない。例えば、アプリ一つあたりの価格は、iPhoneで100~300円、iPadだと500~1500円。そのうち半分はアップルの懐に入る。ソフト開発は時間とコストがかかるので、iPhoneなどのアプリは、一般の製品と比べると回収が難しい」

Q 今後の展開と目標を教えてほしい。

 「現在、自社開発のバックアップソフト『インデリブル』を米国で販売している。この最新バージョンを年内に米国で発売し、売り上げを伸ばしていきたい。もう一つは、第三のディスクメンテナンスソフトとして、自社開発した製品の発売を計画している。こちらも、ヨーロッパをはじめ海外市場で展開していく予定だ。2011年は、国内・海外を合わせた売上高で、対前年同期比2倍を獲得したい」

・思い出に残る仕事

 過去にベンチャー企業を共同で立ち上げたことはあるが、日本でのアイギークは個人出資で一から立ち上げた初めての会社。その意味で「思い出も愛着もある」。以前は製品を直販サイトだけで販売していたが、量販店から「これはおもしろいソフトだ」と声をかけられ、ついにパッケージに。2002年、その最初の製品「データレスキュー」のパッケージが新宿のある量販店に並んだときには、「その場で写真が撮りたいくらいに感動した」という。
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