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2010/07/08 09:03

[週刊BCN 2010年07月05日付 Vol.1340 掲載]

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<インタビュー・時の人>カデンザ 代表取締役 安達寛高

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 リモコンでチャンネルを切り替える感覚で、テレビでインターネットが利用できるアプリケーション「ROBRO」。構想は、安達寛高氏が社長を務めるPC周辺機器メーカー、クイックサンでスタートした。09年7月にはROBRO事業を独立させ、新会社カデンザを設立した。構想段階から5年が経過し、安達社長は「やっと評価されてきた。『Google TV』の存在も追い風になっている。売り手市場になってきた」と、手応えを感じている。(取材・文/田沢理恵)

プロフィール

あだち・ひろたか■1972年生まれ、東京都出身。97年、国立音楽大学音楽学部声楽学科卒業。00年10月、クイックサン設立、代表取締役就任。09年7月、会社分割によりカデンザ設立、代表取締役就任。両社の社長を兼務する。

「テレビでネット」のあり方を追求
「Google TV」の先を行く

Q カデンザを設立して1年が経過した。これまでを振り返ってほしい。

 「これまで、テレビユーザーにとってのネットサービスのあり方を追求してきた。クイックサンは、もともとハードウェアビジネスで創業したが、製品開発サイクルの競争が激化していく状況のなかで、ストックビジネスの必要性を感じていた。そして、『リビングでネットを活用する』ことを考え始めたことが、現在のROBROにつながった。昨年は、オリオン電機とドウシシャとともに、インテルのAtomプロセッサを搭載した液晶テレビ『ROBRO-TV』を発売した。この一年で、ROBROアプリケーションが評価されるようになってきたと実感している」


Q 大手メーカーも、テレビでのネット機能を強化している。

 「大手テレビメーカーのネット機能では、対応しているウェブサイトしか利用できない。それぞれ独自のCPUやブラウザを採用しているからだ。このままでは、大手メーカーのネット対応テレビ技術はガラパゴス化してしまうだろう。ネットテレビを普及させるためには、半導体から変えていかなければならない。その一方で、『Google TV』と当社の方向性は似ている。ただし、当社は昨年12月に『ROBRO-TV』によってネットテレビを実現した。すでに『Google TV』の一年先をいっている」

Q しかし、「ROBRO-TV」の認知度はそれほど高くない。今後、どうやって普及を図るのか。

 「まずは『ROBRO-TV』を数十万台販売したい。販売拡大のために、6月からソフトバンクショップ22店舗での販売をスタートした。ADSL回線とのセット販売だ。そのほか、4月にはビジネスホテル数軒に納入した。正直いって、ここにきて売り手市場になってきているという実感がある。手応えは十分だ」

Q ROBROは、今後どう進化していくのか。

 「ROBROアプリケーションをテレビに組み込むことで、テレビメーカーはネットテレビを作ることができる。当社の強みは、テレビのチャンネルに『Yahoo! JAPAN』『楽天市場』や『アマゾン』などを割り当てて、リモコンでテレビ番組を切り替えるようにネットが利用できること。すでに、これらの大手コンテンツプロバイダとは手を組んでいる。そのほか、テレビと携帯電話との連動にも積極的に取り組んでいく。例えば、携帯電話やiPadからネットにつながった自宅のROBRO搭載テレビにアクセスして、エアコンの電源が入れられる技術も実証できている。しかも、エアコン本体にROBROを搭載する必要はなく、ROBROのなかにエアコンを操作するソフトを入れ、それをテレビに搭載し、エアコン側はリモコンの赤外線受光部分で信号を受け取ればいい仕組みだ」

Q 事業の成長への道筋は?

 「ROBROの基本的な開発は済んでいるので、あとはシステムの維持管理費用が中心になる。高い利益率を確保できる見通しだ。これからもベンチャー企業の自由な発想を武器に、テレビの基幹システムの開発にこだわっていく。ITの世界は、『プラットフォームが取れた者勝ち』だ」

・思い出に残る仕事

 クイックサン創業当時は、中古PCのリフレッシュ販売や、液晶モニタの新古品販売を行っていた。新古の液晶モニタには、液晶を保護するアクリルのフィルタが貼られていたが、電源の検証作業の際も取り外すことができない。そのまま作業していたある日、フィルタがあることで画面が明るく見えることに気がついた。これをヒントに、保護の意味も含めて、液晶の前にガラスを埋め込んだ液晶モニタを製品化しようと考案。光が反射するという理由から、販売店に扱ってもらえなかったのだが、ある店が試しに10台だけ置いてくれた。それが一気に売れ、その後はコンテナで取り引きしてくれるようになった。これが初の自社ブランド製品。その後2~3年、主力製品になった思い出深い製品だ。
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