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2010/08/26 09:04

[週刊BCN 2010年08月23日付 Vol.1346 掲載]

店頭流通

<インタビュー・時の人>東芝 執行役上席常務 デジタルプロダクツ&ネットワーク社社長 深串方彦

 ノートPC事業が今年で25周年を迎えた東芝。6月に、夏モデルや25周年記念モデルを発表すると同時に、2010年度(2011年3月期)の年間出荷台数をグローバルで2500万台とする目標を明らかにした。どのような戦略で、目標を実現するのか。東芝デジタルプロダクツ&ネットワーク社の深串方彦社長に聞いた。(取材・文/ゼンフ ミシャ)

プロフィール

ふかくし・まさひこ■1954年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。1977年、東芝入社。以来、海外部門を中心に歩み、この間、欧米の現地法人に駐在。2009年、執行役上席常務兼PC&ネットワーク社(現デジタルプロダクツ&ネットワーク社)社長に就任。

三つの柱で2500万台に挑戦
ローカルニーズに合う製品を展開

Q グローバルの年間出荷台数2500万台という数字は、かなりアグレッシブだと思うが――。

 「われわれは三つの柱をもって、2500万台を今年度の目標に掲げた。第一は、日本やアメリカ、ヨーロッパなどの先進国市場での事業拡大。販売体制が整って流通との関係が非常によく、熟知しているマーケットであり、当社にとって最もウェートが大きい市場だ。しかし、いまや先進国だけでは大幅な事業拡大は見込めない時代に入った。そこで第二の柱として中国をはじめとする新興国市場での事業展開が重要になってくる。さらに、第三の柱として“PCだけでない”をキーワードにした電子書籍などの新型端末市場を視野に入れている」


Q 東芝はこの夏、北京などでメディア向けの新製品発表会を大々的に開催した。アジアでの存在感を強める戦略がみて取れる。

 「中国やインドなどは、膨大なポテンシャルをもつ市場だ。例えば中国のコンシューマ向けノートPC市場は、昨年の1000万台程度から、今年は2000万台程度の規模に大幅に拡大するだろうと言われている。日本のコンシューマ向けノートPC市場の4倍程度になるわけだ。この市場に対して、当社は『東芝』という強いブランド力を維持しながら、ローカル市場のニーズに合った新製品を積極的に投入していきたい」

Q 中国などの新興国は、急速な伸びが見込める反面、日本などの海外メーカーにとってハードルの高い市場でもある。

 「確かに簡単ではない。現地情勢を把握し、柔軟に対応することが重要だ。一つの対策として、昨年10月、デジタルプロダクツ&ネットワーク社に『新興国専門チーム』を新設した。当初は10名ほどの陣容で、販売戦略などで現地法人をサポートする“窓口”のような役割も担っており、日本の販売戦略のノウハウなども現地法人に伝えている。例えば、当社のブランドイメージをさらに高めるために、中国で有名な映画俳優、李冰冰さんと黄暁明さんを起用し、パソコンをはじめとした当社製品の宣伝を行っている」

Q 従来型のノートPCを超えた新型端末の市場拡大を目指す第三の柱の背景は?

 「ノートPC市場がどんどん変化している。スマートフォンの普及に伴って、ケータイの機能がノートPCに近づいてくるなど、携帯電話とPCの融合が進んでいる。これを新たな事業機会として捉えており、参入チャンスがあるとみている。25周年モデルで発表したAndroid採用のクラウドブック『dynabook AZ』(海外向けは『AC100』)などを手始めに、新しい端末を積極的に投入し、業界を盛り上げていきたい」

Q 今年度は、法人向け事業にも力を入れているようだが。

 「法人向けの事業は伸びを期待しているので、今まで以上に力を注ぐ方針だ。具体的な製品でいえば、高いスペックを盛り込みながら、ノートPCの主流部材を使うことで高いコストパフォーマンスを武器にしている25周年モデル『dynabook RX3』(海外向けは『Portege R700』)に期待している。また、このクラスで世界最軽量を誇る『RX3』は法人向けに開発したモデルだが、企業ユーザーの評価が高かったことから、コンシューマ向けにも投入することにした」

・思い出に残る仕事

 入社間もない頃、電卓の輸出営業部門に配属された。まだかなり大きかった電卓のサンプルをスーツケースに詰め込み、一人で中南米各国に出張。初めての土地、不慣れな環境で大変苦労しながらも、受注にこぎ着けた時の喜びはひとしおだった。「厳しい商売相手も、打ち解けてくれば人情や感情は同じと実感し、その後の大きな自信になった」と語る。また、「ドイツの現地法人(デュッセルドルフ)に二度駐在し、1989年のベルリンの壁崩壊、1999年のユーロ誕生と、二つの歴史的な出来事を間近で経験することができたのは、貴重な経験だった」とも。ベルリンの壁崩壊の時は、ドイツ国中が興奮に沸き返るなかで、家族でベルリンまで行き、壁のかけらを持ち帰ったそうだ。

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