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2010/09/02 09:04

[週刊BCN 2010年08月30日付 Vol.1347 掲載]

店頭流通

<インタビュー・時の人>MARSHAL 代表取締役 社長 三原修

 MARSHALは2005年の設立以来、HDDケースを中心に販売してきた。三原修社長は、今後、HDDケースの販売を伸ばして国内でのトップシェア争いに加わるためにも、今は「ブランディング活動に力を入れる時期」とする。今年からPCパーツ全般を取り扱うブランド「新丸印」を立ち上げるなど、製品の幅を広げ、販売店やユーザーのMARSHALに対する認知度向上に努める。(取材・文/武井美野里)

プロフィール

みはら・おさむ■1974年生まれ。大学卒業後、富士通でHDDの営業を担当。退職後、2004年にフィールドスリー、2005年にMARSHALを設立。元競泳日本代表で、アジア大会で銅メダルを獲得している。

ブランドの認知拡大に注力
細かい配慮で棚の好位置を確保

Q 「新丸印」を立ち上げた意図は?

 「当社は設立以来、HDDケースに特化して事業を行ってきた。しかし、HDDケースは今後もある程度は需要があるが、爆発的に伸びることはないだろう。商品の幅を広げるためにも、昨年から、ストレージ以外のカテゴリの製品を投入したいと考えていた。今年6月、ようやく『新丸印』というPCパーツブランドを立ち上げることができた。現在の自作PC関連市場には、若いお客様がなかなか入ってこない。平均年齢は年々上昇していて、パイが拡大していない状況だ。『新丸印』ブランドは、PC自作初心者の目線に合わせたアイテムを取り揃えている。すべて細かい説明を付けて製品のポイントを明確にして、若い人や、自作PCに興味はあるもののまだ始めていない人にアプローチしていく。さらに、マルチメディアプレーヤーという当社として新しいカテゴリの製品を6月に投入している」


Q 新ブランドの立ち上げから現在まで、最も注力していることは?

 「『新丸印』を立ち上げて取り扱い商品を広げたのは、販売店とユーザーのMARSHALに対する認知度を向上するためでもある。まだまだブランディング活動が不足していると認識しているので、現在は、ブランディング活動の一貫として、販売店での“棚取り”に力を入れている。市場の低迷を受けて、販売店はPCパーツの棚を縮小しており、そこにさまざまなメーカーの製品を詰め込まなければならない。そこで、商品を棚に置きやすいよう、製品やパッケージのサイズに気を配っている。例えば、現在HDDケースのトレンドであるクレードル式は、メーカーによって製品とパッケージの大きさにかなり違いがある。当社は昨年の後半から、クレードル式の製品とパッケージサイズを小さくした。中国の工場と直接やりとりをしているので、製品の金型の変更など、細かい要望が伝えやすく、柔軟に製品を変えていけることが強みだ。棚に置きやすくなったことで、お客様の目線に近い位置に当社製品を並べてくれる店舗が増えてきた。また、製品とパッケージを小さくしたことは、輸送コストの低減にもつながった。他社と同等の価格で、より高機能な製品を提供できるというメリットがある」

Q 2010年のHDDケースの販売目標は?

 「会社を設立して5年目。販売数量などはまだそれほど意識はしていない。まずはブランディング活動を重点に置き、数はそれからだ。低価格の商品で数を稼ぐよりは、付加価値のある製品で戦っていきたい。また、MARSHALブランドの認知が高まったら、PCパーツ以外の製品も手がけていきたいという思いがある」

Q 国内のPCパーツ市場が縮小するなかで、海外展開は視野にいれているか。

 「もちろん、海外でも製品を販売してトータルの販売台数を稼ぐことを考えている。すでにテストマーケティングを開始し、少しずつではあるがアジアとヨーロッパにHDDケースを出荷している。海外では、日本のメーカーがコントロールしていることが、信頼性という観点から大きな強みとなる。デュプリケーター機能など、付加価値のある製品から出荷していきたい。しばらくは日本市場の割合が大きいが、長い目でみると海外市場のウエイトが高くなる可能性もある」

・思い出に残る仕事

 前職の富士通に入社した頃は、PCに関する知識がまったくなかったという三原氏。7年間、HDDの営業を担当するなかで、中国の工場から「HDDケースを日本で売らないか」という話をもちかけられた。そこで、HDDの卸であるフィールドスリーを設立し、独立。その後、続けてHDDケースを主に販売するMARSHALを設立した。HDDケースの発注先は、富士通時代に声をかけられた中国の工場の割合が今でも一番大きい。三原氏は、「築いた信頼関係があるからこそ、細かいリクエストにも柔軟に応えてくれる」と、先方との良好な関係を語る。

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