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2010/10/28 09:04

[週刊BCN 2010年10月25日付 Vol.1355 掲載]

店頭流通

<インタビュー・時の人>三洋電機 モバイルエナジーカンパニー グローバルCRM事業部 市販事業統括部 統括部長 白井浩明

 2011年4月をめどに、パナソニックの完全子会社となる三洋電機。その三洋電機の核になっている製品の一つが、充電池「eneloop(エネループ)」だ。高い技術と商品性で、エコ時代の象徴的製品に成長した。モバイルエナジーカンパニー グローバルCRM事業部 市販事業統括部の白井浩明統括部長は、「パナソニックグループとしてエレクトロニクスNo.1の『環境革新企業』を目指すなかで、『eneloop』ブランドはシンボル的な位置づけになる」と確信する。5歳の誕生日を迎える「eneloop」の実績と、今後の展開を聞いた。(取材・文/武井美野里)

プロフィール

(しらい ひろあき)1986年、同志社大学卒業後、三洋電機に入社。営業として広島で大手家電量販店を7年間担当する。93年からは大阪のソフトエナジー事業本部で電池応用商品の国内営業を担当。06年にモバイルエナジーカンパニー市販統括部で国内営業部長に就任。10年4月から海外を含む「eneloop」事業の責任者として活躍中。

「eneloop」誕生から5年で1億3000万本
パナソニックグループの重要ブランドに

Q. 今年11月で発売からちょうど5年。「eneloop」のこれまでの実績を教えてほしい。

A.
 「eneloop」は、発売から10年7月末まで、世界60か国以上で1億3000万本を販売してきた。われわれが標榜してきた「くり返し使うライフスタイル」と「乾電池から充電池への置換え」は、世界中に広がっている。10年4月に国内の男女3万人を対象にしたウェブ調査では、「eneloop」の認知率は80%以上、購入後の満足度は90%を超えた。また、オモチャやICレコーダー、電子辞書など、「eneloop」を付属、または使用を推奨する製品も増えている。これは、「eneloop」に対する信頼の証だと捉えている。


Q. なぜ、ここまで広まったのだろうか。

A.
 とことん品質にこだわっているからだと思う。「eneloop」はニッケル水素電池。ニッケル水素電池は瞬間的に大電流を取り出しやすく、デジタルカメラで多く使われている。しかし自己放電するので、半年ほど放っておくと再充電しなければ使えない。この欠点から、デジタルカメラ以外ではなかなか活用されてこなかった。「eneloop」は自己放電を抑制して、3年間放置してもパワー残存率は約75%。テレビのリモコンや時計、懐中電灯など、長期間電池を取り替えない機器にも使えるようになった。これは、他社にはなかなか真似できない技術だ。デザインやネーミングも、ユーザーに親しみやすいものにして、さらにテレビCMを半年に一回、継続して打っている。充電池でCMを展開するメーカーは、当社以外にはない。

Q. 「eneloop」の今後の展開は。

A.
 06年から、「エネルギーの循環」というコンセプトを応用した商品群を「eneloop universe products」として、ソーラー充電器、充電式カイロ、電動ハイブリッド自転車などを販売している。今後は、これらの商品をより拡充していく。将来は、ソーラーパネルで発電した電気を蓄えて、その電気で自転車を走らせるソーラー駐輪場なども視野に入れている。

Q. 2011年4月からは、パナソニックの完全子会社となる。そのなかで「eneloop」ブランドの位置づけはどうなるのか。

A.
 パナソニックグループは、全事業活動の基軸に「環境」を置くエレクトロニクスNo.1の「環境革新企業」を目指している。当社は、パナソニックの傘下に入る前から、「地球と命のためになるものづくり」を意識してきた。パナソニックグループになっても、「eneloop」ブランドはシンボル的な位置づけになると確信している。これからも、「eneloop」ブランドをもって、「クリーンエナジーループ」を世界中に広めていきたい。

・Turning Point

「eneloop」事業は、本社のデザイン、広報、マーケティング担当などが一体となって立ち上げた大がかりなプロジェクト。「それまで一緒に仕事をしたことがないメンバーが集まったので、デザインなど、あらゆる部分で意見がかみ合わなかった」と、白井部長は振り返る。しかし、激論を交わすうちに、プロジェクトに関わるメンバー全員のベクトルが合致。発売直後の2005年12月は、従来の三洋電機の充電池の倍の本数を販売した。白井部長は、これで自信がついたという。メンバー全員の、ものづくりでの妥協を許さなかった姿勢が、現在の「eneloop」の高い評価につながっている。

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