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2011/03/31 09:03

[週刊BCN 2011年03月28日付 Vol.1376 掲載]

店頭流通

ラジオ付きICレコーダーに存在感 購入層広げる成功事例に

 ICレコーダーのラジオ対応モデルが、一つのジャンルとして確立している。「BCNランキング」で、ICレコーダー全体のなかに、AM/FM、FMラジオチューナー搭載モデルが占める割合は、2月には販売台数で24.3%、販売金額で32.1%に達するなど、存在感を示している。背景には、年齢や性別を問わず、幅広い世代のユーザーがラジオを聴取するようになっていることがある。右肩上がりを続けているICレコーダー市場は、ラジオの後押しもあって、しばらく成長が見込めそうだ。

語学学習で伸びるラジオ対応モデル
各社参入でラインアップ豊富に

 ICレコーダーの商戦期は春。進学・就職のタイミングで購入するユーザーが多い。とくに、ラジオ対応モデルは、NHK語学講座がスタートする春によく売れるのだ。東京・ビックカメラ池袋本店では、ICレコーダーの売り場を「高音質」「ラジオ付き」など、わかりやすくカテゴリ別に展示している。オーディオコーナーの新井俊宏スタッフは、「ラジオ対応モデルは50~60代の方がよく購入していく。語学番組や深夜番組を予約録音しているようだ」という。「予約録音ができるモデルは、指名買いがある」ほどだ。

ビックカメラ池袋本店のICレコーダー売り場(ラジオ対応モデル)

 ラジオ対応モデルのジャンルとしての立ち上がりは、数年前に遡る。「AM、FM、番組の予約録音」の三要素を揃えたICレコーダーを初めて世に送り出したのは、三洋電機。2007年3月に「ICR-B76M」を発売し、注目を集めた。三洋電機の加藤圭太デジタルシステムカンパニーDI事業部課長は、「ラジオと録音機器という二つの製品を一つにしたことで、新しいカテゴリが生まれた」と振り返る。その後、オリンパスが10年1月にクレードル付きの「PJー10」を、また11年2月にはソニーが据置型の「ICZ-50」を発売した。現在、予約録音非対応のモデルを含めると、主要3社の製品数は合計11モデルと豊富になっている。

 なぜ、ラジオ付きがICレコーダーの一つのジャンルとして確立したのだろうか。ポイントは「外でも家でもラジオが聴けること」。「外でラジオ」については、オリンパスイメージングの猪狩一郎国内営業本部営業企画部営業企画1グループシニアマーケティングマネージャーは、「ICレコーダーにラジオが付いていると便利」という流通関係者からの要望を以前から聞いていたという。さらに、主要3社のラインアップをみると、外出先で聴くのはもちろんだが、クレードルやスピーカーを備えるモデルが多く、自宅でも据置型ラジオとして使えるようにしていることがわかる。

ラジオ付きはユーザー獲得に成功
ICレコーダーの利用者は拡大

 ICレコーダー市場は、この1年、ほぼ前年超えで好調に推移している。2月の「BCNランキング」の対前年同月比では、販売台数118.3%、販売金額108.9%だ。この好調ぶりについて、ソニーマーケティングの富田充弘コンスーマーAVマーケティング部門パーソナルAVマーケティング部パーソナルAV MK課マーケティングマネジャーは、「テープレコーダーからの切り替えと、手頃な価格で高音質が手に入ること、そして用途の拡大という三つの要因がある」と分析する。用途の拡大とは、これまでの会議録音、語学学習用途に加え、おけいこごとの練習や生録などを指す。


 では、このなかでラジオ対応モデルは、どのようなユーザーに受けているのだろうか。追い風となったのは、10年3月にスタートしたサイマルラジオサービス「radiko」だ。ソニーは「ラジオを身近な存在にしてくれた」(富田マーケティングマネジャー)という。また、三洋電機も「PCやスマートフォンでラジオが聞けるようになり、リスナーは増加している」(加藤課長)とみる。店頭では、ラジオ対応モデルは中高年の購入者が多いようだが、ソニーマーケティングの富田マーケティングマネジャーは、「ラジオのコンテンツは主に娯楽と語学。ユーザーは幅広い」と捉える。これは各社に共通する見方だ。

 ラジオ対応モデルの今後の動向について、三洋電機の加藤課長は「ICレコーダー市場への影響は大きい。主要3社が参入したことで、市場は確実に拡大した。販売台数・金額構成比は、現状の2~3割程度を維持して推移する」と分析する。また、ソニーは「特定のメーカーだけで成長するのは難しいので、ともに市場を盛り上げていきたい」(富田マーケティングマネジャー)と意気込む。ビジネスパーソンが購入層の中心だったICレコーダー。ラジオ対応モデルは、ユーザーのすそ野を広げた成功事例といえるだろう。(井上真希子)

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