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2012/11/29 09:05

[週刊BCN 2012年11月26日付 Vol.1458 掲載]

解説

主要SIerの投資動向 成長分野へアクセルを踏む

 主要SIerが成長分野への投資を加速している。野村総合研究所(NRI)の嶋本正社長は「クラウドやグローバルといった有望分野は2ケタ成長する見込み」と判断して、この分野に経営資源を重点的に投入していく。ITホールディングス(ITHD)も関西地区でのデータセンター(DC)基盤を大幅に拡充するなど、サービス型ビジネスへのシフトを急ぐ。こうした動きの背景には、成長分野と引き替えに従来型のシステム開発市場の縮小が続くとともに、欧州経済の不調や中国リスクなどの不確定要因によって、リーマン・ショックのような落ち込みが再び起こる可能性が否定できないことがあるとみられる。(安藤章司)

 国内情報サービス市場は、向こう3年は年率1~2%の緩やかな回復基調が続くと見込まれている。ある大手SIer幹部は、「緩やかな回復基調にある現状だからこそ、積極的な設備投資を行い、リセッションのフェーズに入っても成長し続けられる基盤づくりを行う」と、先行投資に意欲を示す。図は、調査会社のIDC Japanがリーマン・ショックの景気後退が表面化してから半年ほど遅れて本格的に業績への悪影響が出てきた2009年度(10年3月期)の主要ITベンダーのITサービスセグメントの売上高を示したものだ。景気変動に左右されにくいITアウトソーシングの比率が高いベンダーは、ITサービスの売上高の落ち込みが少ないという傾向が読み取れる。
 ITアウトソーシングはデータセンター(DC)を活用したクラウド型サービスなども含まれており、毎月安定して売り上げが見込める。その一方で、システム構築(SI)や受託ソフト開発は、短期間で大きな売り上げを獲得できる反面、案件が減少局面に入ると急激に売り上げが下がる。リーマン・ショックの直後の情報サービス業界は、ITアウトソーシング比率が高いSIerは比較的冷静に対応できたが、そうではないSIerはSI案件の大幅減に右往左往した苦い記憶が色濃く残る。
 2015年以降、情報サービス市場のリセッションが再び始まるとすれば、やはりITアウトソーシング比率が高いほうが有利である。ただでさえ今後は大きな伸びが期待できない国内情報サービス市場にあって、業績の急激な悪化に耐えられるベンダーはそう多くないはずだ。早晩、立ち行かなくなるか、より体力のあるベンダーに吸収合併されるかの選択を迫られかねない。NRIの嶋本社長は、(1)業界標準ビジネスプラットフォームサービス、(2)ユーザー企業の情報サービスの見直し支援、(3)グローバルITサポート──の3点については、「年率2ケタで市場が伸びる」という見方を示した。 ...

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