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2013/05/30 09:05

[週刊BCN 2013年05月27日付 Vol.1482 掲載]

解説

SIerのアジアビジネス 「ASEANシフト」鮮明に 顧客動向からワンテンポ遅れて対応か

 大手SIerのアジアビジネスに異変が起きている。これまでの中国市場重視だった姿勢が、今年に入ってASEAN重視へと変わりつつあるのだ。シンガポールやタイ、マレーシアなどでの拠点開設やM&A(企業の合併と買収)を行う動きが活発化。一方で、中国での新規拠点やM&Aの動きは相対的に目立たなくなっている。日系SIerの多くは、既存顧客である日系ユーザー企業のIT投資に依存する割合が高いことから、SIerのこうした動きは日系ユーザー企業の投資動向を間接的に反映しているものとみられる。そうした傾向と連動して、ミャンマーとベトナムをASEANの生産拠点に位置づける動きも出てきた。(安藤章司)

 今年に入って主要SIerのASEAN進出が加速している。これまでASEANに自社で拠点をもっていなかった日立システムズは、4月1日付でマレーシアの有力SIerと合弁会社を立ち上げ、一気に5拠点を確保した。今年中にはベトナム拠点の開設も予定している。伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、米国ITベンダーのシンガポールとマレーシアの子会社をM&Aするかたちで、今年2月に2拠点を新しく手に入れた。
 ASEAN進出の流れを加速させたきっかけの一つは、2012年9月の尖閣諸島を巡る日中の政治摩擦であったことは間違いないだろう。摩擦発生の直後、SIer幹部の多くは「半年ほどたてば事態も沈静化して、両国の新政権の施策によって改善する」とみていた。だが、半年以上が過ぎた今も状況は必ずしも楽観視できるとは言い難い。
 日系SIerの海外での主要顧客である日系ユーザー企業の投資動向も影響している。情報サービス業は、過去の経験に照らして、ユーザー企業のビジネスの変化からおよそ半年遅れで影響が出てくる。政治摩擦後の混乱のなかで、ユーザー企業の「ASEANへのシフト」の流れが始まったとするならば、その影響が出てくるのは今年4月以降。カネ(IT投資)の流れに敏感なSIerが、こうしたユーザー企業を先回りするかたちでASEAN拠点を次々と開設して、受注を増やす動きがみられる。もう一つの要因は、中国における対日オフショア開発の先行きが厳しくなっている点だ。「アベノミクス」以来の円安傾向と、年率10%ともいわれる中国の人件費上昇によって、中国でのソフト開発のコストメリットが見出しにくくなっている。ましてやASEANでの受注を拡大させるにあたって、すでに高コストになりつつある中国でソフトを開発していては、ASEANでの競争力が損なわれてしまう。 ...

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