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2013/11/28 09:06

[週刊BCN 2013年11月25日付 Vol.1507 掲載]

解説

独SAP 「Business ByDesign開発中止」報道の影響 より明確になったクラウド戦略

 ドイツのビジネス誌「Wirtschaftswoche(週刊経済)」は、10月19日(現地時間)、衝撃的なニュースを報じた。ビジネスソフトウェアのリーディングカンパニーであるSAPが、クラウドERP「Business ByDesign」の開発を中止するというのだ。「Business ByDesign」といえば、SAPが本格的に展開し始めたクラウド戦略の要となるアプリケーションで、今年8月に日本版を発表したばかりだ。クラウドERPで先行する米ネットスイートが、10月23日、早くも“乗り換えキャンペーン”を発表するなど、にわかに市場が騒がしくなった。

 当然ながら、SAP側も沈黙していたわけではなく、報道の2日後に行った第3四半期の決算発表、そして同じ週にラスベガスで開かれた年次カンファレンス「SAP TechEd 2013」などでこれを否定。「Business ByDesign」のプラットフォームを、同社のすべてのクラウドサービスの共通基盤と位置づけるPaaSの「HANA Cloud Platform」に移管するだけという趣旨の説明をしている。
 実は報道の10日ほど前、SAP社内の会議で製品開発の方向性がアップデートされ、「Business ByDesign」のプラットフォームを「HANA Cloud Platform」に移管するための具体的なプロセスがアナウンスされている。従来、「Business ByDesign」は、クラウド基盤、アプリケーション、SDKのような周辺ツールまで、単独の事業部門内で開発を行ってきた。しかし、SAPがクラウドにシフトし、Ariba、SuccessFactorsなど関連企業の買収を重ねて増加したアプリケーションのラインアップを、パートナーやユーザーがニーズに沿って組み合わせてスイート製品化するためには、プラットフォームの共通化が必要になる。当然、「Business ByDesign」も例外ではなく、SAPジャパンの馬場渉 バイスプレジデント(VP)・クラウドファースト事業本部長は、「もともと決まっていた『HANA』へのプラットフォーム移行のプロセスが明確になっただけ」と話す。
 ただし、これに伴って組織の改編と人事異動があったのは事実で、これまで「Business ByDesign」の基盤開発に携わってきた人員は、「HANA」の開発チームに統合され、アプリケーションの開発チームも、「HANA」をプラットフォームとする全社のクラウドアプリケーション開発チームに合流する。結果的に、これまではモジュール単位で似た機能をもつ複数のアプリケーションが複数の基盤上に存在し、それらがすべてSAPのクラウドアプリケーションとしてラインアップされていたのが、機能ごとにコアのモジュールが統一されていくことになる。こうした動きは製品戦略の一貫性という意味で、ユーザーやパートナーにとっては歓迎すべきものだろう。しかし、SAP社内では非常に大きな変革であり、相応の痛みが伴うことも事実。それでも馬場VPは、「いつかは乗り越えなければならない痛みを思い切って乗り越えたのはポジティブなこと。これからSAPのクラウドはスイートアプローチが強化され、『Business ByDesign』の開発・販売はもっとアグレッシブにやっていくことになる」と明言する。 ...

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