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2010/02/18 10:41

インタビュー

[週刊BCN 2010年02月15日付 Vol.1321 掲載]

内田洋行 マーケティング本部 次世代ソリューション開発センター 三宅智之
一人では何もできない

  • 写真/馬場磨貴

プロフィール

(みやけ ともゆき)1983年、岡山県生まれ。07年、上智大学経済学部経営学科卒業。同年、内田洋行入社。環境知能化への取り組みや、ITによる環境制御などの企画・開発を担当。09年春から拡張現実(AR)の事業化を推進。次世代ソリューション開発センターに所属。
 “環境知能化”技術をビジネスに落とし込むのが内田洋行の三宅智之のミッションである。オフィスや教室などの空間(=環境)にITを組み込み、生産性や学習効果を高めるのが狙いだ。空間とITの融合を「ユビキタス・プレイス」と名づけ、内田洋行はその潜在市場が国内3000億円あると見積もる。


 しかし、言うは易しで、現場の三宅にとっては「漠然とした数字」だ。そんなある日、ふとしたことで出会ったのが仮想美少女フィギュア「ARis(アリス)」だった。バーチャルな少女が、あたかも自分の部屋にいるかのように映像を合成する拡張現実(AR)技術を使った玩具である。08年当時、一部のネット上のマニアの間で話題になっていた。

 「これは使えそうだ」と思ったものの、文系出身の三宅一人では、どうにもならない。まずは社内での仲間づくりから始めた。AR(とARis)を知り、かつCADやCGを専門とするエンジニアなど数人でプロジェクトを立ち上げる。現実空間にCADの3次元画像や、オフィス家具のモックアップを映し出す簡単なアプリケーションソフトを開発。ある見本市で展示したところ、予想以上の強い引き合いがきた。既存の仮想現実(VR)や3Dインターネットの技術チームとも連携しながら、環境知能化による「ユビキタス・プレイスの事業拡大に迫るところまで到達した」と、手応えを感じている。

 プロジェクト立ち上げのポイントは“根回し”だ。学生時代に住んでいた寮での決め事は、寮生の全員一致が原則だった。ゴミの出し方や会計処理などを巡って、一人でも拒否権を発動すると決まらない仕組みである。三宅は寮運営の円滑化のため、日頃から住民たちの合意形成に心を砕いてきた。この経験が、今に生きる。

 「一人では何もできない。だから仲間を増やし、力を結集することで潜在市場を切り拓く」と、新規ビジネスの創出に意欲を燃やす。(文中敬称略)

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