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2010/09/02 09:38

インタビュー

[週刊BCN 2010年08月30日付 Vol.1347 掲載]

日本ラッド 執行役員 ネットワークコンピューティング事業本部長 岡田良介
“理詰めの合理主義者”の挑戦

  • 取材・文/安藤章司  写真/馬場磨貴
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プロフィール

1965年、和歌山県生まれ。92年、大阪市立大学大学院理学研究科修了。同年、クボタシステム開発入社。00年、サーバーホスティング会社のファーストサーバを立ち上げ。同社社長に就任。09年、日本ラッド入社。現在に至る。
 「風圧で除熱し、空調を一切使わないデータセンター(DC)の考案者」「設備費用と維持費を半減」「合理主義者」。SIerの日本ラッド執行役員・岡田良介を評するフレーズである。「この国のDCの料金は高すぎる。世界に通用するネットビジネスを生み出すには、もっと安くなくてはならない」との信念から、この10年、DCの徹底した低コスト化を追求してきた。サーバーホスティング会社を立ち上げたが、意に反して辞めざる得ない苦い経験を経て、今、日本ラッドで自らの理想を再び追求する。 


 岡田が目をつけたのは、サーバーなどのIT機器を冷却するDC内の空調設備。空調機器は電気の大食漢だからだ。「いっそのこと、扇風機で外気を吹きつけてはどうか」と考え、2009年夏から実証実験をスタート。試行錯誤を続けるなか、「ただ風を吹き付けるだけではダメで、一定以上の風圧が必要なことが分かってきた」という。最適圧を得るための通気ルートや、途中で降圧しないようサーバールームの機密度を高めるなど、独自のノウハウを次々と積み重ねてきた。そのうちのいくつかは特許を申請している。

 成果はどうか──。DC全体の消費電力をIT機器の消費電力で割った指標、PUEの最高値で1.06を記録。この夏、外気温32℃でも、送風機の中速運転程度で1.07を実現した。日本の平均的なDCで約2.0であり、“1”に近くなるほど、IT機器が消費する電力=DCの消費電力の「理想型に近い形になる」。10月から同業他社に先駆けて空調レスDCの商用サービスをスタート。コスト半減で価格を打ち出せる。

 「世界規模のクラウド事業を手がけるAmazonやGoogleなどの黒船が大挙してやって来ている。ネットサービスの基盤となるDC事業者が、まず矢面に立つ」。自らを“理詰めの合理主義者”とする岡田の挑戦は、まだ始まったばかりだ。(文中敬称略)
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