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2016/03/17 09:28

インタビュー

[週刊BCN 2016年03月14日付 Vol.1620 掲載]

NTTソフトウェア ITコンサルタント/EAストラテジスト 安田 航
都市の地図の先にITをみる

  • 取材・文/日高 彰  写真/馬場磨貴

プロフィール

安田 航(やすだ わたる)
1981年兵庫県生まれ、東京育ち。同社コンサルティング部門を経て、現在の営業部門へ。クラウド環境でのデータ連携やセキュリティを実現する各種ソリューションの提案を担当。趣味は輪行(自転車を公共交通機関で運ぶこと)での海岸線めぐり。
 「どうしてこの場所に都市ができたのか──」。自転車旅行が趣味の安田航は、鹿児島港で桜島を見ながら考えていた。活発に活動を続ける火山のすぐ近くに、人口100万人規模の都市圏が形成されるのは世界的にも珍しい。日常的に降灰に悩まされる場所に、なぜ昔から人が集まっているのか。


 目の前では、桜島行きのフェリーが休みなく出ていた。ターミナルには「24時間運航」の文字。深夜でも対岸に渡れることに驚いたが、あらためて鹿児島県の地図を見ると、東西南北の主要道路が鹿児島市に集まっている。鹿児島湾で切れている道も、海路を経由すれば、薩摩・大隅半島を横断する動脈になる。火山があっても、南九州の交通が交わるこの地が栄えるのは必然だった。

 一見不合理にみえる都市の構造も、よく調べるとそうなった背景がみえてくる。情報システムも同じではないだろうか。都市開発における課題も、システム開発につきまとう問題と同じだ。再開発したくても動かせない建物があったり、商店街の支援か大型商業施設への集約かで議論になったり。

 当時、営業部門に異動したばかりの安田は、ミドルウェア製品がもつ価値の説明に苦慮していた。しかし、ITを都市に置き換え、「システム間を連携するミドルウェアは、人や物が移動するための道路に相当する」と話しながら地図を描き始めると、それまで退屈そうだった顧客の表情が変わった。以来、「企業ITの都市計画的デザイン」を提唱し、個別の建物(システム)ではなく、都市(企業)全体を発展させる視点の必要性を説いている。

 そして今は、日単位、時間単位でITの効率化が求められる時代。これまでは地理的なデザインの話が中心だったが、今後は昼夜の人口動態など時間の軸を取り入れられないか考えている。(文中敬称略)

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