ページの先頭です。

2008/03/31 11:00

インタビュー

売上げの半分は海外市場で上げる――牧 誠さん(メルコホールディングス代表取締役社長)(1/5)

  • twitterでつぶやく

 牧さんに初めて会ったのは、1981年にP-ROMライターを発売した時で、名古屋の自宅兼工場を訪ねた。以来、その発想力、行動力には圧倒され続けてきた。現在は海外市場の開拓に全力を上げている最中だが、海外に出ていかない限り日本企業に大きな未来はないのだから、ぜひ成功させてもらいたいものだ。久しぶりに会って、「この人なら大丈夫だな」と改めて感じた。【取材:2007年11月30日、バッファロー東京支店にて】

プロフィール

牧 誠(まき まこと)
 1948年、名古屋市生まれ。73年、早稲田大学理工学研究科応用物理学専修、オーディオメーカーのジムテック入社。75年5月、アンプの専門メーカーとしてメルコを創業、78年法人化。81年、P-ROMライターを開発してパソコンの周辺機器に進出、82年11月に発売したプリンタバッファが爆発的ヒット商品となり、周辺機器メーカーとしての地位を確立。91年10月、日本証券業協会に店頭登録、95年8月、東京証券取引所市場第二部に上場、96年 9月、東証と名証第1部に上場。03年5月、バッファローがメルコホールディングスに社名変更、メルコグループの純粋持株会社として活動開始。


<1000分の第19回>

※編注:文中の企業名は敬称を省略しました。

●アルバイトのはずが、そのまま就職

 奥田 牧さんて、早稲田大学では応用物理学を専攻、大学院では半導体の表面物性を研究していたんですよね。普通なら半導体業界に進むのでは?

  私のいた研究室は、半導体業界ではそれなりに名前が通っていましたから、通常なら引く手あまたで、行きたい企業に就職できたはずなんです。ところが、私が大学院を卒業した1973年という年は、トランジスタ不況の真っ只中で、半導体業界からの求人はまったくありませんでした。

 だけど私、この頃にはオーディオにはまっていたことや、結婚したら名古屋に帰らねばならないことなどから、多分、大手の半導体メーカーには就職しなかったと思います。それにしても、人生の岐路って不思議だなと思うことがあります。

 奥田 そうそう、オーディオに入れ込んでいたんですってね。後のことですが、「メルコの牧さんてあの牧さんなの?」って尋ねる人に会ったことがあるんです。なんで?と聞くと、牧さんがラジオ雑誌に連載していたオーディオに関する先鋭的な論文、楽しみで楽しみで、次の号が出るのを首を長くして待っていたというんですよ。

  大学院生の頃、そんな論文書いていたことがありますね。じつは、大学院生の頃は、秋葉原にあったジムテックというオーディオメーカーでアルバイトしていたんです。ラジオセンターのオーナーが趣味を兼ねてやってたんですが、世界で一番いいアンプ作ってくれとおだてられて、その気になって設計に没頭しました。

 ところが、院の卒業間近になっても設計が終わらない。3月のある日、社長に呼ばれて、すでに開発費を何百万円かつぎ込んでいるんだから、卒業までには何とかしてくれるんだろうな、と念押しされてしまいまして…。それで、開発が終わらなければ責任が取れないと思ってジムテックに入ることにしたんです。じつは、別の会社に就職が決まっていたんですよ。エヌエフ回路設計ブロックという計測器のメーカーで、弱電に興味がある人間にとっては、非常に魅力的な会社でした。

●競争と協調の大切さ学ぶ

 奥田 そんなことがあったんですか。確かに人生の岐路って不思議ですね。

  小さなメーカーでしたが、その社長がいろいろな人を紹介してくれて、秋葉原の裏がよくわかりましたよ。秋葉原の電気街っていうのは、競争と協調のバランスがうまく取れているんですね。

 例えば、これは私の創作ストーリーですが、店主同士が麻雀をやっていて、「お前さんのとこ、ソニーのテレビの安売りやってるな、ちょっと安すぎるぞ」「悪い、悪い。押し込まれちゃってさ、まだ在庫残ってるんだ」「今度の土日までは我慢するけど、その先はダメだぞ」ってというような会話が交わされていたと思うんです。競争しながら、協調すべきところは協調する、これってものすごく大事なことですよね。

 これはメルコ創業後の話なんですが、名古屋の大須というところは、全国一の安売りの街として知られていました。隣同士のつき合いがなく、競争だけが先行していたためです。それで、ある店の店長に秋葉原の例を紹介して、仲立ち、つなぎ役をやったらと勧めたことがあります。その店長がいろいろ動いて、できるだけみんなが会える機会を作っていった結果、気心が知れてきて、協調の機運も生まれてきました。
  • twitterでつぶやく


WebBCNはITビジネス情報に特化したサイトに生まれ変わりました!
PC・カメラ・デジタル家電の最新情報は「BCNランキング」で!

PR

この記事に対するトラックバック:0件

週刊BCN購読のお申し込みはこちら

Bizline会員サービス(無料)のご案内 新規会員登録はこちら

IT業界団体のご紹介

PR

ITジュニアの広場

「ITセミナー・イベント」コーナーで注目商品・サービスなどのセミナーを一挙公開!

ITビジネス情報紙「週刊BCN」

ITビジネス情報誌「週刊BCN」
2012年02月06日付 vol.1418
2012年、商機到来か IP-PBXビジネスの有望性を探る

2012年02月06日付 vol.1418 2012年、商機到来か IP-PBXビジネスの有望性を探る

「週刊BCN」購読お申し込み
BCN Bizline ITを売るパートナービジネスの創造を

「BCN Bizline」は、株式会社BCNが保有する登録商標です。(商標登録番号第5388735号)