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2009/04/06 11:00

インタビュー

[週刊BCN 2009年04月06日付 Vol.1279 掲載]

<人に人脈あり>12.販売戦略の“教師”
ヴィジョネア社長 内古閑宏氏(ロフトワーク代表取締役PMO 林千晶氏を評して)

推薦理由

ロフトワーク代表取締役PMO 林千晶氏
ロフトワークの林千晶代表取締役は、ヴィジョネアの内古閑宏社長について「創業まもない頃、オフィスをシェアしながらともに成長してきたベンチャー仲間」と親しみを込めて話す。両社とも2000年の創業で、巣立った場所も同じだ。
 IT技術開発のヴィジョネア・内古閑宏社長が、ウェブ制作・デザインのロフトワーク・林千晶代表取締役と面識を得たのは創業間もない2000年頃。企業家が集まるパーティーで偶然出会ったことがきっかけだった。

 東芝でパソコンのハードウェア設計に従事していた内古閑社長は、根っからの技術者。ヴィジョネアに集まったメンバーも技術系が多く、「世界初の技術を開発する」と意気込む内古閑社長が率いる同社は、技術へのこだわりが強い。ただ、新しい技術だけに、その優れた点や活用法をどうユーザーに伝えるのかが悩みの種だった。ユーザーがその技術を認知し、価値を見いだしてくれる最初のきっかけが必要と考えて、ロフトワークの林千晶代表取締役に相談。林さんはマーケッターの出身で、この手の課題の解決はお手の物だ。得意のデザイン力でユーザーの心を掴む商品パッケージや関連するホームページの制作を快く引き受けてくれた。

 林さんとの交流を通じて学んだことは、「技術の新しさだけでは十分でない」ということ。とくに新しい技術の開発は、ユーザーに認知されにくい。「iPodなど数々のヒットを飛ばすアップルを見ても、製品やパッケージのデザインを念入りにやっている」。これまでになかった技術やコンセプトをユーザーに伝える“触媒”に相当するのが、デザインなのだと気づかせてくれた。

 ヴィジョネアが開発した技術の代表格が「PPV-DVD(ペイパービュー方式のDVD)」。国内では、セルDVD本体の販売価格は非常に高価。PPV-DVDでは、例えば連続ドラマのうち最初の1話は普通に再生できるが、第2話以降は暗号化して再生できないようにすることで販売価格を抑える。ユーザーが残りも観たいと思えば、ネットを経由し、期間限定で暗号を解く鍵を購入する仕組み。販売に際してはユーザーが観たいと思うパッケージデザインを重視。引き合いは順調に増加し、08年3月期まではわずか6タイトルだったPPV-DVDの品揃えが、09年3月期までには一気に約160タイトルに増えた。09年度は400~500タイトルに拡充する予定で、PPV-DVDのビジネスは好調に推移している。「技術者とクリエーターの連携は、ビジネスを大きく伸ばす可能性がある」ことを実感している。(安藤章司)

このコーナーでは、リレー方式により、人と人のつながりを追っていきます。


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