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2009/07/27 11:00

インタビュー

[週刊BCN 2009年07月27日付 Vol.1294 掲載]

<人に人脈あり>26.苦境に差し伸べられた救いの手
マイクロソフト執行役専務 窪田大介氏(リコー専務執行役員 松本正幸氏を評して)

推薦理由

リコー専務執行役員 松本正幸氏
初めてお酒を飲んだ時、「一晩で、もう十年来の付き合いのように感じられる」と、窪田氏の人懐っこさや情熱にほだされた。「米本社の指示は、窪田さんなりに解釈し、国内パートナーとの互恵関係に尽力してくれた」と感謝している。
 「えっ、リコーの松本(正幸専務)さんが、なぜぼくを指名してくれたんだろう?」──。マイクロソフト執行役専務の窪田大介氏は、当連載「人に人脈あり」の指名を受けてから、しばらく考え込んだ。松本氏との出会いは、窪田氏がコンパックコンピュータの営業部長だった頃、今から10年以上前のことだ。当時のパソコンメーカーからみたリコーは“巨人IBM一色”の販社。全国に販売網を持つリコーと組みたくても、はなから相手にされなかった。日本のコンパックは社員がやっと200人になったところで、IBMの足元にも及ばない。無理もなかった。

 その時、「うちと取り引きしたいんだったら、こうすべきだ」と、アドバイスをくれたのが松本氏だった。窪田氏は真摯に受け止め、改善を重ねた。コンパックのビジネスはその後大きく拡大。しかし、順風満帆かに見えた2000年初め、突如、米ヒューレット・パッカード(HP)による米コンパックの買収が発表される。HPによる事実上の吸収合併であり、窪田氏は、「辞めることになると思います」と、松本氏に挨拶までしていた。リコーにとって、HPはプリンタ事業で正面から競合するライバルだ。

 その窪田氏に転機が訪れた。2002年、当時米HPトップだったカーリー・フィオリーナ氏が日本法人に立ち寄った際、「中学生と双子の小学生のお子さんはどうですか? 家庭と仕事を両立させてください」と、静かに語りかけてくれたのだ。さらに、リコーの松本氏は、窪田氏の熱意と、HPの将来性を見据え“コンパックがHPになっても取引を継続する”という趣旨の文書をリコー社内で出してくれた。窪田氏は、「リコーをはじめ事務機系パートナーを失うと数百億円の損失になる」と、米本社に訴え、辛くも危機を乗り越える。そして、最初の疑問の答え──。窪田氏からエピソードを聞いた松本氏曰く、「子煩悩な窪田さんは、フィオリーナさんの“家庭と仕事を両立させなさい”という語りかけにイチコロだったよ」。いい意味で純粋、ビジネスには実行力があり、裏表がない「窪田さんの魅力に惚れた」のが、“ご指名”の理由だそうだ。(安藤章司)


次回は
 セキュアブレイン 社長兼CEO  成田明彦氏

このコーナーでは、リレー方式により、人と人のつながりを追っていきます。


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