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2011/09/29 09:32

インタビュー

[週刊BCN 2011年09月26日付 Vol.1400 掲載]

中国で成功しなくては将来はない(1/2)
キヤノン(中国)有限公司 社長 小澤 秀樹

 「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく…」は、作家井上ひさしの金言。小澤さんが説く営業に関する言葉の数々は、まさにやさしく、ふかい。そしてその根本にあるのは赤く燃える「パッション」。キヤノンの中国ビジネス躍進の秘密は、そのあたりにあるようだ。一石二鳥、いや一石三鳥をも狙う販売ノウハウを熱く語っていただいた。(本紙主幹・奥田喜久男/構成・谷口 一)

Profile

小澤 秀樹(おざわ ひでき)
慶應大学法学部卒。78年 Canon U.S.A. カメラ事業部、92年 Canon Singapore カメラ事業部長。03年 Canon Hongkong 社長に就任。04年、Canon Singapore 社長を経て、現在キヤノンアジアマーケティンググループ社長、キヤノン(中国)有限公司社長、本社常務取締役を兼任。

2011.6.23/北京・キヤノン(中国)有限公司にて

販売会社のオーラが出ていない!

 奥田 まず、中国の現状についてうかがいます。

 小澤 大都市といわれる北京・上海・広州だけでなく、どこの都市へ行っても活気があります。高いビル群と、常にトンカントンカンやっている建築現場。すごいですよ。だから、これはもたもたしていられないぞ!と。中国にはキヤノンを知らないお客様がまだ何億人もいますから。

 奥田 そうなんですか。意外な感じを受けますね。

 小澤 私がこちらへ来た6年前には、ウェートレスもタクシーの運転手もゴルフのキャディも、誰一人としてキヤノンを知りませんでした。

 奥田 そういうなかで、キヤノンの知名度や売上高をすごいスピードで上げてこられたのが小澤さん。どこをどう変えられたのでしょうか。

 小澤 広告やPR活動、社会貢献活動、イベントのスポンサーと、いろんなところにキヤノン、キヤノン、キヤノンと出して認知度を上げる活動をとことんやってきました。それと、もう一つ力を入れたのは、企業風土の改革です。

 奥田 ほう、それは何かきっかけがあったんですか。

 小澤 6年前にここへ来て、会社の雰囲気をパッと見て感じたのは、これはダメだな、ということ。これは販売会社じゃない、モノを売る会社じゃない。そういうオーラが出ていない。日本人社員も、中国人社員も。これはお客様に接して、モノを売ったり、サービスしたりする会社の雰囲気じゃないな、と思ったんですよ。

 奥田 販売会社の雰囲気ではないというのは、どういうことでしょうか。

 小澤 お客様と接する最前線のここがお役所のイメージであるのはまずい。競合には勝たないといけない、お客様に近づいていって、キヤノンのよさを知ってもらい、買ってもらわなくてはいけないわけです。なのに、お役所みたいな感じで、こりゃ勝てない、と。何としても企業風土を変えなきゃいけないと思ったわけです。

 奥田 具体的には、どんな動きをされたのですか。

 小澤 まずは人だと。その人が、やる気を高めて目標意識をしっかりともって、情熱的に仕事をこなすことが重要だと考えました。うちの会社は、香港もシンガポールも販売会社なんです。お客様にハード・ソフトをひっくるめて売るという役割を担っています。じゃあ、ここにいる人たちがそういうマインドになってるのかと考えたとき、こりゃダメだなと。挨拶をしないし、感謝の気持ちも現れていない。

 奥田 挨拶はビジネスの基本中の基本ですね。

 小澤 そもそも、挨拶もしないし、感謝もしない人間が販売できるのか。みんな頭ではわかっているんです。でも、行動に出ていない。ここから徹底的に変えてやろうと思いました。私の企業風土改革の原点は「挨拶」と「感謝」にあります。

 奥田 でも、それを行動に移すのは大変だったのではありませんか。

 小澤 皆、頭では理解していても行動に出ないんですから、これはからだで覚えさせなければダメだと考えました。それからです、毎朝、挨拶運動をやりはじめました。ローテーションで毎朝10人、多いときで30人くらいがチームを組んで、幟を立てたり団扇を持って、すべての部署を回るんです。「ニーハオ」「ニーハオ」って。それを6年間、ずっとやり続けていますよ。シンガポールに赴任していた頃からだと7年になります。

 奥田 シンガポールは今も?

 小澤 やっています。アジアはみんなやれと言ってますから。香港もインドもタイも。この挨拶運動は世界的にもないんじゃないですか。だから、中国のテレビ局に2回ほど取材を受けました。この挨拶隊は無礼講だから、重要な会議をやっていようが、お客様がみえていようが、どんどん入ってきてもいいと言っています。

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