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2016/07/21 09:07

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[週刊BCN 2016年07月18日付 Vol.1637 掲載]

日本ストラタステクノロジー 代表取締役社長 三村俊行(1/3)
ミッションクリティカル技術は「ビジネスクリティカル」領域へ広がる

 障害発生時にも、一瞬の処理中断も起こさず正常稼働を継続するフォールトトレラント(FT、耐障害性)システム。最高の可用性を実現する「無停止技術」の専門ベンダーとしてFT製品を手がけてきたストラタステクノロジーが、日本市場に進出して今年で30年を迎える。かつては専用設計の独自ハードウェアで構築されていたこの分野でもオープンアーキテクチャの採用が進み、最近ではソフトウェアで無停止を実現する製品も登場している。日本ストラタステクノロジーで20年以上にわたってFT製品の販売に携わり、昨年9月からトップを務める三村俊行社長に、市場の変遷とこれからをたずねた。

  • 取材/日高 彰  写真/川嶋久人

プロフィール

三村 俊行(みむら としゆき)
 1980年に立教大学経済学部卒業後、ミニコンの製造販売を行う日本・データゼネラル(現アルファテック・ソリューションズ)に入社。総務部門を経て営業職に転じ、93年日本ストラタステクノロジーに入社。営業要職を歴任し、2003年からは常務執行役員として国内パートナービジネスの拡販事業に従事。2015年9月より現職。

FTの価格は100分の1になった

──三村社長が日本ストラタステクノロジーにこられたのは1993年ですが、まずは当時の会社の様子などをお聞かせいただけますか。

 今でも覚えているのは、入社3日目のことです。引き継ぎもすんでいないなか、前任者が担当していたお客様から朝7時に呼び出されました。行ってみたら、お客様は灰皿を投げつける勢いで怒っていらっしゃる。「何でお前のところのシステムは止まるんだ!」と。結果的にはハードウェアの問題ではないことがわかったのですが、お客様がそこまでお怒りになるのは、私どものシステムに障害が起きると、インフラが止まって社会的な問題になったり、人命にかかわることになりかねないからでした。それだけ重要な役割を担っている会社なんだ、ということがわかりましたが、私も若かったし、まだ3日目でしたから、いきなり怒られて相当へこみましたし、そのときは「とんでもない会社に入ってしまった」と思いましたね(笑)。

──これは転職に失敗してしまったかと。

 それに、当時の営業の現場にはちょっと殺伐とした雰囲気もあったんです。そのときのストラタス製品は一式1億円以上のシステムばかりでした。そんな高価なものを導入できる企業は限られていますから、他の営業担当者とお客様の取り合いになることも多く、“隣は敵”だったんです。でも、やりがいのある仕事でした。何億円のシステムですから、こちらは小さな会社の若い営業マンでも、商談の相手は大きな組織の幹部の方で、学ぶことばかりでした。今、私は経営者の立場になりましたが、マネージャーに必要な資質とは何かというところでは、当時のお客様から教えていただいた部分が非常に大きいですね。

──当時と今とでは、何が一番違いますか。

 「業務を止めないシステムのご提供」というビジネスの根幹は、当時から今までまったく変わりません。しかし、それをどう実現するかという環境が大きく変わりました。当時の市場には多くのメーカーが存在し、独自のハードウェアに独自のOSをのせていました。私たちもそうやって“止まらない仕組み”を提供していました。それが90年代以降、エンタープライズUNIXでも実現可能になり、その後インテルのCPUとWindowsやLinuxに移り変わっています。そして最近は仮想化、クラウドの時代です。数億円の案件ばかりという時代は終わり、今では、ハードウェアFTの製品でも百数十万円くらいからご提供できるようになりました。

──素朴な疑問として、過去1億円以上していたシステムが、100分の1くらいの値段になってしまったとすると、どのようにして収益を確保されているのでしょうか。

 単純にいうと、100倍の台数を売らなければいけないわけです。となると、「隣の営業マンは敵」の殺伐とした現場ではダメで、われわれのチーム自身、そしてパートナー様が一体となって、お客様に提案していくスキームを構築する必要がありました。幸いなことに、無停止型の市場においては競合製品があまりなかったので、ある程度の量が売れる環境をつくることはできました。それに以前から、FTという技術は気に入っているけれど「うちの会社じゃ高くて買えないよ」というお客様は非常に多かったんです。価格が下がったことによって、多くの方にFT製品を導入いただけるようになり、ユーザー層、パートナー網とも広がってきています。また、以前は本当に大事な一つのシステムだけでFTを使っていたお客様が、「これだけ安くなったならもっといろいろなところで使えるね」ということで、より多くの台数を導入いただくというケースも増えてきているのです。

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