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2016/11/07 09:03

KeyPerson

[週刊BCN 2016年10月31日付 Vol.1651 掲載]

MIJS(Made In Japan Software & Service)コンソーシアム 理事長(WEIC社長CEO) 内山雄輝(1/3)
国内のエコシステムでイノベーション起こす場を

 今年4月、MIJS(Made In Japan Software & Service)コンソーシアムの理事長に就任した。着任してすぐの記者会見で、日本国内でITのイノベーションを起こす目的で、日本型シリコンバレー「JAPAN Tech Valleyプロジェクト」の発足を発表するなど、過去の理事長にない行動力で周囲を驚かせた。MIJSの存続を危ぶむ声もあったが、今は、内山理事長の求心力に期待が集まっている。

  • 取材/谷畑良胤  写真/川嶋久人

プロフィール

内山雄輝(うちやま ゆうき)
 1981年9月、静岡県湖西市生まれ。2004年、早稲田大学第一文学部中国語・中国文学専修卒業。同年、WEICを設立。05年2月、中国赴任者向けクラウド型「中国語学習サービス」の販売を開始。14年4月、自動的にアポイントが追加される営業支援SFAサービスを開始。15年7月、リード商談を自動追加するクラウド型営業支援サービス「SALES BASE」を発売。MIJSでは「海外展開委員会」委員長などを歴任。16年4月、理事長に就任。

BtoBビジネス難民を育成する

──自らMIJS理事長に名乗りを上げたと聞いています。いまから1年ほど前に遡りますが、そこに至った経緯を教えてください。

 正直、(理事長に)なるつもりはありませんでした。昨年12月、次の理事長を選ぶ頃に、「ウッチー(内山理事長の愛称)がなったら」と、周囲から言われながらも、「諸先輩方を差し置いては」と返答していました。ただ、声をかけていただけたことはうれしかったし、「もし自分が理事長になったら、何をするんだろう」と、イメージを巡らし始めていました。

 当社(WEIC)がMIJSに加盟したのは、2007年頃です。当時「アーリーステージ」のベンダーにプレゼンさせてMIJSが支援するベンチャー育成のプログラムがありました。当社がMIJSに加盟する前、クオリティソフトさんの会議室でそのプレゼンをしたのが関わるきっかけです。当時、BtoBでモノを売ることの難しさを、めちゃくちゃ感じていました。自分は大学を卒業して数年しか経っていない。社会人の経験もなければ、業界のネットワークも資金もない。製品・サービスをどう日本全国に販売すればいいか悩んでいました。

──MIJSに加盟したことで、すでにビジネスで成功しているISVの方々からアドバイスを受け、いまのWEICの原形ができたんですね。理事長就任は、そんな思いもあったからですか。

 MIJSに加盟して10年です。自分自身は「MIJSに育ててもらった」と思っているんです。創業当時は、パッケージソフトウェアやSaaSなどをパートナービジネスで展開する方法や、情報システム部に提案する際のキーワードも理解できなかった。ですが、MIJSで活動するなかで、いろんなヒントをいただきました。もし、理事長になるなら、私が経験したように「喘ぐ“BtoBビジネス難民”」を育成するべく、MIJSなどに加盟するデカイ会社と連携し、ビジネスを回す仕組みをつくることができると考え理事長になろうと決意したんです。

──昨年は、MIJSの存続を危ぶむ声がありました。

 一部では、「MIJSが無くなる」とのうわさも出ていましたが、それはもったいないという気持ちがありました。そんな時、平野さん(前MIJS理事長=インフォテリア社長)が「内山さん、やらない」と声をかけてくれました。「冗談でしょ」と返答した直後、「本気なので考えてくれ」と言われ、周囲のMIJS幹部に相談したら「やってみたら」と、多くの激励を受けました。それで、やってみようかな、と気持ちが傾いたんです。

──MIJSの各委員会は、参加率が高く、とても活発に活動している印象がありました。どこに課題がありましたか。

 委員会などは、MIJSのなかだけで特定の人が楽しむ活動に陥っていたように思います。参加する意義やビジョンが薄れていたのでしょう。活動がマンネリ化していたと思います。

──確かに、MIJSに対する非加盟の一部ベンダーからは、特定の人が参加する閉じられた団体とみられていますね。

 実際、MIJSに参加するベンダーは限られています。それはそれでいいとも思っているんです。ただ、このなかで、イノベーションは生み出せているのか、という課題があります。これからは、“外からの血”を入れて、(MIJSの)中に刺激を与えます。中は中で、オンプレミスからクラウドへ転換する過程で、産みの苦しみを味わいながらも、将来に向けてチャレンジする必要があります。MIJSの加盟ベンダーは、それなりに儲かっています。儲かっているなかで、時代の要請に応じ、どうビジネスを転換していくかが重要になっています。

──テクノロジーのトレンドをキャッチアップし、IT業界に対する社会の要請にも応えて、ベンダーが変化していくことが急務ですね。一方で、MIJSは、「Made In Japan」の品質の高い製品・サービスで、海外と対等に戦うというミッションがあります。この志は、変わってきているのでしょうか。

 日本のソフトを世界に出していくというミッションは、まったくぶれていません。ただし、ソフト業界に限った話ではなく、いままでは、まず海外拠点を構え、駐在員を配置してアプローチすればなんとかなるというやり方でした。なぜなら、「自分たちの製品・サービスはすばらしい。だから、海外の会社に絶対使っていただける」と、自信があったからです。ある意味で独りよがりな部分がありました。

──なぜ、うまくいかなかったのでしょうか。

 いろいろあります。例えば、マーケティングにかける費用が不足していた。少なくとも、海外展開するには、1ケタ億単位でなく、2ケタ億から3ケタ億を投資する気概が必要だった。また、現地の企業に受け入れられるのか、という課題もありました。言語的なローカライズだけでなく、展開する国の商慣習に合わせたローカライズをし、その市場にあった価格体系を設定する必要がありました。

 結果的に、(日本市場で展開している製品・サービスのような)ご立派な機能は必要なく、そこから機能を30%削ったものを半額で提供したら販売できた。MIJSでは、中国市場に注力していました。中国展開する際は、ソフトの暗号化を公開するハードルがあり、SaaS型モデルなどが中国の法律に抵触するなどの課題がありました。失敗を怖れ、攻めきれなかった。


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