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2017/01/10 09:03

KeyPerson

[週刊BCN 2017年01月02日付 Vol.1659 掲載]

富士通 代表取締役社長 田中達也(2/3)
「利益ある成長」こそが世界と戦う基盤

コア事業以外の売上減は問題ではない

──田中社長が掲げた営業利益率10%というのはかなり意欲的な目標だと思います。ただ、その実現のために、売り上げの規模の縮小はどの程度まで許容できるのでしょうか。

 企業というのは、お客様から価値を認められて生きていくものですから、利益ある成長が必要だというのが私自身の考え方です。世界で戦っていくための投資を続けるためにも重要なことです。もちろん、本来は、売り上げも利益も、両方が右肩上がりというのが理想ですよ。富士通自身、あらゆるニーズに垂直統合で応えるビジネスモデルでそれを実現した時期もありました。しかし、(もはやそれでは利益を出せないという)いまの富士通の課題を考えて、まずは売り上げを追うのではなく、テクノロジーソリューションにきちんとわれわれの強い基盤をつくることを優先したわけです。だから、テクノロジーソリューション事業の売り上げが減るのはまずいですが、それ以外の分野でいろいろな施策の影響から売り上げが減るというのは大きな問題ではないと思っています。

──PCを含む端末系の「ユビキタスソリューション」は約1兆円、LSIや電子部品の「デバイスソリューション」にしても約6000億円と、テクノロジーソリューション以外の事業の売り上げも依然としてかなりの規模ではありますが……。

 例えばカーナビの富士通テンは、トヨタ、デンソーとの間の資本比率の見直し(によって富士通の連結から外すこと)を図っていますが、当社グループにいるよりももっと生きるはずです。重要なのは、これによって、非常に重要なお客様である自動車業界に対して、富士通が成長領域として注力していく、つながるサービスとのシナジーがある提案が、できるようになるということなんです。ユビキタスとデバイスについては、独立したビジネスとしての強さを追求し、外部との連携、アライアンスを含めていろいろな選択肢を検討したうえで、コア事業とのシナジーを考えていくということです。

──戦略ではあっても、急激に売上規模が減少すると市場でのプレゼンスが下がりませんか。

 絶対的に強い基盤をつくれば、M&Aでシナジーを出して市場のシェアを高めることもできますから、焦ることはありません。むしろ、基盤がはっきりしていないと、M&Aをやってもしっかりマネージできなくて失敗することになると思っています。とにかく、コア事業の基盤を固めること、そして外との関係をよくみながらコア事業とのシナジーを出せるような手をタイムリーに打っていくことを重視しています。

クラウド基盤だけでは不十分

──コア事業の基盤固めという意味では、SE子会社3社の統合とデジタルビジネスのフロント組織立ち上げ、セキュリティの司令塔となる組織の新設といった動きが象徴的でした。さて、ここからどう成長軌道を描くのでしょうか。

 富士通には、日本であらゆる業種のSIをやってきた経験があり、これをSoR(Systems of Record)にもSoE(Systems of Engagement)にも生かすことができます。アプリケーション開発から運用まで、トータルの品質と価値で勝負するということに尽きるでしょう。

 私は、富士通をより専門的なICTベンダーにしたいと思っているんです。誰でも提供できるものしか品揃えがないなら、特徴を出せないまま価格競争のなかに埋没してしまう。そうではなくて、お客様自身の製品やサービスのあり方を考えるときに、一緒にアイデアを出してくれるかけがえのないパートナーだと思っていただけるようにしたいんです。そのためには、技術を追求するだけでなく、お客様により深く入り込んでいくことが必要です。

──勝負しているレイヤはアマゾンやマイクロソフトとは違うと。

 多大な投資をして、「世界中で同じクラウド基盤を提供しますから、この上に乗っかってください」というビジネスのやり方は、確かにあります。手離れがいいですしね。実際、グローバル大手ベンダーのクラウド基盤の品質は高いとも思います。しかし、それだけではお客様のニーズに応えられないわけです。お客様は、より複雑化するIoT、大量のデータをどう成長につなげるのか、セキュリティの脅威にどう立ち向かうのか、自力のみでの対応に限界や不安を感じておられる。そういうところにこそ富士通のチャンスはあるんです。

 だから、富士通も、グローバルビジネスには自分たち自身のクラウド基盤が必要だということで、「K5」ブランドでOpenStackベースのIaaSを世界展開していますが、それだけでなく、オラクル、マイクロソフト、BOXなど非常に有力なノウハウ、技術をもっているベンダーと積極的に組み、マルチクラウドでいろいろな選択肢を用意しています。

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