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2017/04/04 09:03

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[週刊BCN 2017年03月27日付 Vol.1671 掲載]

東京工業大学 准教授 SOINN 代表取締役 長谷川 修(1/3)
AIブームは第4次へ向かって進む

 第3次人工知能(AI)ブームに世の中が沸いている。過去2回のブームは失速感が否めなかったが、今回は「アルファ碁」などAI囲碁ソフトがブームを牽引し、「今度こそ本物だ」との呼び声も高い。しかし、長年にわたりAIの研究に携わってきた東京工業大学の長谷川修准教授は、今回もあくまで一過性のブームに過ぎないと冷静に分析する。そして、独自開発した「SOINN」が世のAIよりもすぐれていると説明。SOINNでできること、AIブームの方向性について聞いた。

  • 取材/畔上文昭・前田幸慧  写真/長谷川博一

プロフィール

長谷川 修(はせがわ おさむ)
 1993年、東京大学大学院電子工学専攻博士課程修了後、通商産業省工業技術院電子技術総合研究所研究員。99年、米カーネギーメロン大学ロボティクス研究所客員研究員。2000年、経済産業省産業技術総合研究所主任研究員。02年から東京工業大学准教授。14年にSOINNを設立し、代表取締役に就任する。

「人間の脳ってすごいんです」

──まずはじめに、長谷川先生がAIに取り組むきっかけが何だったのか、教えていただけますか。

 もともとは機械をやっており、大学時代はロボットの研究室にいて、ロボットの目の研究をしていました。モノを見てつかむとか、そのために何がどこにあるのかを認識するのかということを卒論のテーマにしたんですね。

 そのときにすごく衝撃を受けたのが、“りんごがそこにある”ということを、(人間の目には)どうみてもりんごにしか見えないのに、コンピュータに処理をさせるとそれがわからないんです。「こんなこともできないんだ」と。ふだん何気なく過ごしていますけれども、「自分の目や脳がいかにすごいか」ということに気づかされました。

 まずこの衝撃があって、「なぜ自分にはできるのだろう」という考えに戻ってくるんですね。そこから、自分のやっていることをフィードバックして、なんとかコンピュータにやらせられないかというのをずっと考えてやっていくサイクルが、自分にとってすごく刺激的でした。

──それが学習型汎用AIと呼ぶ「SOINN」にたどり着いたのはいつ頃なのでしょうか。

 この大学に来てからですね。ご縁があり02年に産業技術総合研究所から東京工業大学に移ってきました。そこで学生さんと学習型のAIのことを話していましたら、若い発想で「じゃあ、ちょっとやってみましょうか」というのでやっていくうちにだんだんできてきたのがSOINNです。

──02年頃からSOINNに取り組まれていたのですね。でもその頃は、AIに対する諦めムードが漂っていたと聞きますが……。

 ですので、最初の頃は論文もまったく理解してもらえませんでした。「自分で覚えて賢くなる」という、SOINNの基本原理のところを説明した論文でしたが……。海外では「こんなのは見たことない」とのことで掲載になったのですが、日本の学界では審査にすら回してもらえませんでしたね。


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