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2017/04/04 09:03

KeyPerson

[週刊BCN 2017年03月27日付 Vol.1671 掲載]

東京工業大学 准教授 SOINN 代表取締役 長谷川 修(2/3)
AIブームは第4次へ向かって進む


自分で学習して覚える「SOINN」

──AIについての本などを読むと、「機械は勝手には学習しない」ということがよく書いてあります。学習し、何かやったかのように振る舞うが、実はデータを集めているだけだと。しかし、SOINNは違うんですよね。

 はい。SOINNはちゃんと学習して覚えます。

──それはどういうことなのでしょうか。

 直感的には、自分たちが日頃やっていることに近いといえるかと思います。日頃、われわれはいろいろなものを見たり聞いたりしますが、それをすべてビデオで撮るように記録として残しているわけではなく、重要なところだけを取り出して記憶として留めていると思うんですよね。それがまさに学習でして、われわれの方法ですと、新しい知識や経験があると、それが細胞分裂し細胞の数自体を増やすことによって確実に捉えていくという方法です。

 例えば、この間の学生の修士論文なんですが、ロボットに「ちょっと掃除しておいて」と指示すると、ロボットはまず「掃除」で検索するんです。そうすると掃除に関する検索結果がたくさん出てきますので、それを自分で解析して掃除とは一体何なのかということを自分で覚えていきます。そこには「掃除機」「モップ」「雑巾」といったものの説明がありますから、今度はそれを使って画像検索したりします。人間の指示を一つ受けると、それに関連するものを自分でインターネットで検索して、どんどん覚えていくんです。それで「掃除して」というと、自分で検索して覚えて、まわりを見渡しそこに掃除機があったとすると、それを認識してこう使うんだと答えられるんです。

 この修士論文では、関連するものを一通り自分で検索して覚えるというところまでやりました。今度はYouTubeを見せようという話をしています。関連するYouTubeを自分で調べていくなかで、ものを使う順序関係も覚えていくということを、ドクターの人がやっています。

──動画を見て覚えるというと、まさに人の代わりですね。

 そうですね。そういうインフラがもうすでにかなりできているので、それをコンピュータやロボットにも自分で使わせようとしています。

誰もが自分のAIをもつ世の中に

──今、第3次AIブームなどともいわれていますが、先生からみると、今のAIブームはどのようにみえますか。

 今までと同じように、盛り上がっては下火になって盛り上がっては失速するということをまたやっているという感じですね。

──今度こそ本物ではないかともいわれていますが。

 どうですかね。今一番話題のディープラーニングについてもできること、できないことがだんだんわかってきて、その先にできることというものも増えてはきています。ただ、AIが人間の知能を超越するといったようなシンギュラリティがすぐにでも来るということにはならないと思います。

──では、現在のAIブームも第4次に向かってまた失速していくと思われますか。

 そう思います。ただ、だからといってゼロに戻ってしまうのではありません。技術の蓄積は少しずつ進んでいますので、画像認識や音声認識、自動運転の技術にしろ、いろいろな努力の積み重ねで、確実に進歩はしてきています。

──長谷川先生にとってのゴールというのはどのようなものでしょうか。

 今後、いろいろなところで「誰でもどこでもAI」というふうになっていくのではないかと思います。例えば、デバイスもそれ自身で学習して、その場で適応して動くとか、何か不具合があると、通信して自分で対応したりということを、どんどんやるようになるんじゃないかなと思うんですね。IoTもありますが、センサデータなどを全部そのまま流したらあっという間にトラフィックがパンクしてしまいます。その場で果たすべき自分の役割を自分たちで覚えていき、これらが連携して主人の好みに合ったように動いてくれるみたいなものは、そう遠くない未来に実現するのではないでしょうか。

──なるほど。そこにSOINNが使われるようになればということですね。

 SOINNは、それを実現する有力な要素技術の一つであると思います。非常に計算が軽く、いろいろな情報を柔軟に扱える機械学習手法というものは、まだほかにありません。

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