[週刊BCN 2009年12月07日付 Vol.1312 掲載]

鳴り物入りの「J-SaaS」 このまま終わるのか
2009年3月31日、SaaS型サービス「J-SaaS」がスタートした。経済産業省が主導し、2年間で約40億円もの資金を投じて始めた鳴り物入りのITサービスだが、ユーザー企業数が伸びていない。計画時にぶち上げた「今年度(2010年3月期)末までに50万社の中小企業をユーザーにする」目標など、夢のまた夢。その目標には遠く及ばない。官主導という異例の形で立ち上がった巨大なSaaSは、このまま不発に終わってしまうのか。
●週刊BCN 2009年12月7日付 Vol.1312 【Opinion】特集より
「J-SaaS」の歩みと実績、そして今後
(1)「J-SaaS」の歩み 「準備は万端」のはずだった…「J-SaaS」の計画立案は2年以上前にさかのぼり、昨年度から予算を確保して動き始めていた。決して拙速に着手されたプロジェクトではない。当初のスケジュールに対してぎりぎりだったものの、昨年度中のサービスインには間に合い、サービス開始時には26種類のアプリケーションを揃えた。強固なITインフラを整備し、システムトラブルはない。SaaS普及のポイントは「売る仕組み」という認識をもち、提案・拡販策も用意していた。「準備は万端」のはずだった―。
40億円投じた国策 異なるISVが共存する異例の基盤
「J-SaaS」プロジェクトは、海外諸国に比べて日本の中小・零細企業はIT利用が遅れており、将来的に国際競争力の低下につながる、と経済産業省が危惧したことから始まった。解決のための手段として、初期投資が少なく情報システム運用の手間がないSaaSに着眼。ITに費やすことができる資金が乏しく、システム管理者がいない中小企業でも、SaaSならITを利用してもらえるとの考えから、「J-SaaS」が生まれた。

J-SaaSポータルサイト。下がオープン当時の画面で、上がリニューアル後の画面。分かりやすくはなったが……
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