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2012/10/05 20:40

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米オラクル ムーアならぬ「ラリーの法則」を披露、クラウドに初めて対応した「Solaris」最新版を発表

【サンフランシスコ発】米オラクル(ラリー・エリソンCEO)は、現地時間の10月3日、サンフランシスコで開催中のプライベートイベント「Oracle OpenWorld San Francisco 2012」で、UNIX OSの新版「Oracle Solaris 11.1」を発表した。また、NTTドコモが、スマートフォン・システムでのトラフィック情報のリアルタイム処理に、オラクルのミドルウェア製品「Oracle Event Processing」と、大容量メモリ領域を構成して大量のトラフィックの受信に対応する「Oracle Coherence」を採用し、稼働を開始したことが明らかになった。

 オラクルのジョン・ファウラー システムズ担当エグゼクティブ上級副社長によれば、「Solaris 11.1」は「Built for Cloud」「Best UNIX for Oracle」「Best Enterprise Platform」の観点から、300以上のエンハンス(機能強化)を行ったという。SPARCとx86ベースの幅広いサーバーやエンジニアド・システムズに、大規模なIaaS、PaaS、SaaSのクラウドを構築できる「Solaris」初のクラウド対応OSだ。前版の「Solaris 11」に標準で搭載しているアップグレード・ツールを使えば、「Solaris 11.1」にすばやく簡単にアップグレードできる。 

「オラクル社内では何でも2倍にすることを『ラリーの法則』という」と明かしたジョン・ファウラー システムズ担当エグゼクティブ上級副社長

 具体的には、システム、ネットワーク、ストレージのリソースを対象とする「Solaris 11.1」標準の高効率仮想化機能に、新たにクラウド・インフラ機能を追加した。例えば、クラウド規模のデータ環境の統合名前空間を提供する新しいオープン規格「Federated File System(FedFS)」を業界で初めてサポートしたほか、ネットワーク・リソースを最大限に活用し、クラウド環境の帯域幅を管理するために「Edge Virtual Bridging」(ネットワーク全体を一つのプラットフォームとみなしてソフトウェアで制御する仕組み)の機能を強化するなど、「Software Defined Networks(SDN)」のサポートを拡張した。

 ファウラー上級副社長は「当社には、『ムーアの法則』ならぬ『ラリー(エリソンCEO)』の法則がある。何でも2倍にするという考え方だ。『Solaris 11.1』も、End to Endでサービス・レベル・アグリーメント(SLA)を保証できるようになったほか、バーチャル環境に対応したOSに進化した。今後も、オープンソース・ソフト(OSS)コミュニティのエンハンスを最大限加えていく」と、マイナーバージョンアップでありながら、多くの時間をかけて改良したことを強調した。

 このほか、ファウラー上級副社長は、「Exadata」など、オラクルの垂直型システム「Engineered systems」は、「クラウドになくてはならない基盤だ」と述べたうえで、「今回のイベントでは、クラウドが大きなトピックだ。企業のお客様に限らず、SaaSを提供するプロバイダを含めて、当社のシステムが大きな役割を果たしている。サイロ型ではなく、当社のシステム環境を使えば、あらゆるクラウド・サービスを使うことができる」と語った。

 「Engineered systems」は、サーバー、ストレージ、ネットワークなどのインフラと、ソフトやミドルウェアを開発段階から密に融合させたシステムだ。「融合することで、システム導入から運用・管理の仕方までを劇的に変化させ、驚くべき結果をもたらした」(ファウラー上級副社長)という。事例として、ソフトバンクモバイルが大規模データウェアハウス(DWH)の刷新で「Exadata」を導入し、データベースのランニングコストを50%も削減したことを挙げた。

 また、ファウラー上級副社長は「当社の製品は、すべて国際標準技術で構成されている。よく、『スタンダードを使っているので、他社との差異化が難しいのでは』と聞かれるが、すべてのシステムでケーパビリティを上げたほか、5分でコンフィグレーション(設定や変更)できる『ORACLE PLATINUM SERVICE』というサポートがある。これは他社を圧倒するものだ」と話した。そして「『Engineered systems』の開発初期段階で、ラリー・エリソンCEOから、まずサポートの迅速化などを考慮するように言われた」と、設計段階の思想からして競合他社と異なることを強調した。

 一方、セッションでは、日本オラクルの発表としてNTTドコモが、スマートフォンのシステム・トラフィックに関連して、オラクルのミドルウェア製品を導入し、昨年12月に稼働したことが明らかになった。NTTドコモは、急速なトラフィックデータの増大を見越して、特定のルールでデータをリアルタイム処理する「Oracle Event Processing」と、大容量メモリを構成して大量のトラフィックの受信に対応する「Oracle Coherence」を活用した大規模データの分散処理システム「Hadoop」を採用。バッチ処理と緊密に連携するシステムにした。

 新システムは、汎用サーバーとオラクルのミドルウェア製品を利用することで、従来型アーキテクチャの約半分のコストで、これまで以上に拡張性の高いビッグデータのリアルタイム処理を実現したという。NTTドコモの髙橋慎一郎サービスプラットフォーム部開発企画担当部長は「旧サン・マイクロシステムズのサーバーを使っていたので、サンの機器の利用を考えたが、コスト面で見合わなかった」と、オラクルのミドルウェアを採用した理由を説明した。

 髙橋担当部長によれば、一昨年12月頃に再構築の検討を開始し、NTTデータ、NEC、オラクルのコンサルティング部隊がインテグレーションなどに加わり、約1年で本稼働に移行した。NTTドコモでは「IBM製品とも比較したが、大量データをリアルタイムに捌くシステムとして、費用対効果を考慮すると、オラクルのミドルウェアを採用するほうがTOC(総所有コスト)が削減できる」と判断したという。(谷畑良胤)

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