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2012/11/05 15:54

ニュース

<BCN Conference 2012 広島> クラウド/モバイル時代のSIer像を指し示す

 BCN(奥田喜久男社長)は、11月2日、広島市でSIer(システムインテグレータ)向けのイベント「BCN Conference 2012」を開催した。イベントは、「IT商流が変わる! クラウド/モバイル時代に求められるSIer像とは?」をテーマに、インテル、広島県情報産業協会、ITコーディネータ協会の後援を得た。

 イベントでは、基調講演と五つのセッション、地方ITベンダーの代表者によるパネルディスカッションが行われた。

 冒頭、デロイトトーマツコンサルティング(DTC)の八子知礼TMTインダストリユニットパートナーが、「モバクラ時代を生き残るために必要なSIビジネスの条件」と題して基調講演。自身の提唱する「モバクラ(モバイルクラウド)」という概念を、「さまざまなモバイルデバイスがクラウドに接続している状況」と説明し、「労働生産性が下がっている産業は、ITの導入率が低い。SIerは、汎用性の高いモバイルデバイスとクラウドを組み合わせたサービスを提供していくべきだ」とした。


DTCの八子知礼TMTインダストリユニットパートナー

 第1セッションでは、NECキャピタルソリューションの荒谷茂伸ICTアセット事業部シニアディレクターが、「クラウド時代だからこそ必要なクライアント管理業務」をテーマに講演した。荒谷シニアディレクターは、「ウルトラブックなどのクライアント端末が増加し、利用形態が複雑になっていることで、管理者の負担が増えている。これからは、クライアント管理業務のアウトソース化が進んでいく」と指摘。ハードディスクドライブを暗号化するソフト「SecureDoc」を活用したBPO型のモバイルPCセキュリティサービス「SecureDocマネージドサービス」などを紹介した。


NECキャピタルソリューションの荒谷茂伸ICTアセット事業部シニアディレクター

 第2セッションでは、ワンビの加藤貴社長が、「Ultrabookを安心に持ち出してビジネスを活性化」と題して講演。加藤社長は、「ウルトラブックは、薄くて、軽くてロングバッテリという利点が知られているが、実はそれだけではない。ウルトラブックだけで使用できる盗難防止対策技術として、インテルの『アンチセフト・テクノロジー』がある」と紹介したうえで、ワンビのセキュリティソフト「TRUSTDELETE AT」は、「アンチセフト・テクノロジー」を活用することで「盗難にあったモバイルPCの遠隔地からのデータ消去、盗難後の時間経過による自動データ消去に加え、起動も防ぐことができる」とアピールした。「例えば、モバイルPCを盗まれたのか家に置き忘れたのかわからない状況では、データを消去するよりも、PCの起動に制限をかけるほうが扱いやすい」という。


ワンビの加藤貴社長

 第3セッションでは、イーストマン・コダック アジアパシフィックリージョンドキュメントイメージング本部のSusheel John総責任者が、「ドキュメントイメージング事業の今後の展望と展開」をテーマに講演した。John総責任者は、コダックがコラボレーション・プラットフォーム「SharePoint」を活用し、ドキュメント管理やドキュメントイメージング事業に力を入れている状況を説明。「現在のトレンドはモバイル、クラウド、『SharePoint』などのプラットフォームだ。これらと連携した使いやすいECM(エンタープライズコンテンツ管理)やドキュメントイメージング製品を提供していきたい」と述べた。


イーストマン・コダック アジアパシフィックリージョンドキュメントイメージング本部のSusheel John総責任者

 第4セッションでは、「モバイルインターネット活用による生産性向上」と題して、ソフトバンクBB取締役常務執行役員の溝口泰雄コマース&サービス統括が講演した。溝口コマース&サービス統括は、iPadを活用して、採用などの業務をペーパーレス化する「採用レボリューション」や、店舗向け営業管理システム「モバイルタスク」を自社に導入し、業務効率化・コスト削減を実現した事例などを紹介。今後のIT業界について、「クライアントの仮想化が重要になってくる」と予測した。


ソフトバンクBBの溝口泰雄取締役常務執行役員コマース&サービス統括

 第5セッションでは、NTTコミュニケーションズ第五営業本部営業推進部の工藤潤一部門長が、「ビジネスチャンス到来! M2Mクラウド」と題して講演。工藤部門長は、ユーザー企業とSIerの関係について、「従来は、主従関係にあったが、M2M(Machine to Machine)の領域では、サービサーやベンダーを巻き込んだエコシステムのパートナーになるべきだ」とした。また、M2Mの適用事例として、ビルのエネルギー監視、電気自動車(EV)カーシェアリングなどを紹介した。


NTTコミュニケーションズ第五営業本部営業推進部の工藤潤一部門長

 イベントの最後には、広島から広島情報産業協会の福井五郎会長、名古屋からネオレックスの駒井拓央社長、 大阪から日本情報技術取引所の関西支部長を務めるリバティ・フィッシュの石丸博士代表取締役と、地域ITベンダーの代表を招き、パネルディスカッションを開催。モデレータは、『週刊BCN』の谷畑良胤編集長が務めた。

 福井五郎会長は、広島のIT企業の課題について、「全国のソフト開発の売り上げのうち、広島はわずか0.75%しかない。仕事がないと、多様な業種をターゲットにしたり、他地域に進出したりしてしまうが、それでは専門性が生まれず、技術者も育たない。地産地消を目指すはずが、“地産外消”になってしまう」と指摘。課題を解決する方法として、「下請けという枠からはみ出ることだ。その次に、全国へ進出していくのがいい」とした。


広島情報産業協会の福井五郎会長

 ネオレックスの駒井拓央社長は、同社の営業スタイルについて、「効率がいい営業をしている。ほとんどの営業はウェブからの問い合わせによるもので、もともと導入意欲のある顧客に対して営業している。しかし、競合は多い。ウェブで問い合わせてくる顧客は、多くの企業に問い合わせるケースが多いからだ。そのため、問い合わせが来たら即時に連絡を取るなど、顧客が次の企業に問い合わせる前に対応するようにしている」と説明。IT業界の将来については、「ほとんどがクラウド化されて行くだろう。クラウドサービスでは、ユーザーはいつでも別の会社に切り替えることができるので、本当にいいものだけが残っていく」と述べた。


ネオレックスの駒井拓央社長

 リバティ・フィッシュの石丸博士代表取締役は、関西の景況感について、「これまでは下請けで食べられていたが、これからは自立しなくてはならない。それには、技術を磨くか、ニッチな市場を開拓するか、ユニークな製品を提供するかしかない。しかし、関西の企業はそうした自立に向けた投資をせずに、目先の利益ばかりを考えている傾向がある。当社は、OSSの『Ruby』の技術を磨き、県外にも展開している」と説明した。(真鍋武)


日本情報技術取引所の関西支部長を務めるリバティ・フィッシュの石丸博士代表取締役

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