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2013/04/16 19:46

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米マイクロソフトのトーマス・ハンセン バイスプレジデント、新「Office 365」の販売戦略を語る

 日本マイクロソフト(樋口泰行社長)は、2月末にクラウド型グループウェア製品「Office 365」の最新版をリリースした。中堅・中小企業(SMB)向けのプラン「Office 365 Midsize Business」では、従来の手数料販売モデルに加えて、パートナー企業が売り上げに計上できる仕入れ販売プログラムの「Open License」を追加。販売パートナーは、これまで以上に「Office 365」で収益を上げやすくなった。米マイクロソフトでグローバルのSMB(中堅・中小企業)市場向けビジネスを統括するトーマス・ハンセン バイスプレジデントに販売戦略を聞いた。(取材/文 真鍋武)

クラウドビジネスは米・英が先行

――「Office 365」の発売から数年が経ちますが、どのくらいの勢いでビジネスが拡大しているのでしょうか。

ハンセン ユーザー企業の増加率は予想以上で、グローバルでは過去1年間で約25万社に導入していただきました。現在はさらに加速しています。「Office 365」は、マイクロソフトの数ある製品のなかで最も急速に伸びている製品で、日々記録を更新しています。日本では1年前の4倍に増えていて、そのうちの約90%がSMBです。

――主要先進6か国(米英独仏加日)のなかで、日本はどのくらいの伸び率なのですか。

ハンセン 日本でのビジネスはすばらしいものです。日本のユーザー企業がマイクロソフト製品に寄せてくださる信頼には、うれしいと同時に頭が下がる思いです。販売パートナーの方々には、すばらしい努力をしていただいていると感じています。「Office 365」だけでなく、すべての製品をみても、日本の業績は世界のなかで有数のレベル。一方で、主要先進国6か国のなかでの「Office 365」の普及率ということになると、やはり米・英が主導権を握っていて、日本はその後ろにつけています。

――日本での普及が米・英に比べて遅れている要因は何なのでしょうか。

ハンセン リセラーチャネルの成熟度が違うのです。米・英では、現在「Office 365」のリセラーの数が「Exchange Server」やオンプレミス型の「Office」よりも多くなっています。つまり、米・英のリセラーは、リセラーチャネルの将来はクラウドにあると確信しているのです。一方で、日本では同様のトレンドこそみて取れるものの、進捗度でいえば9か月ほど遅れています。こうした現状に即して、マイクロソフトとしては、日本のリセラーに対して何らかの施策を展開していく義務があります。適切なトレーニングや、チャネルサポート、収益性を担保していくためのビジネスモデルを提示していかなければなりません。

約9000社のリセラー獲得を目指す

――2月27日に「Office 365」の新製品を発表しました。今までの「Office 365」とは、どのように違うのでしょうか。

ハンセン クラウドを介して、「Office」の機能を最大限に活用することができます。例えば、Windows 8を搭載したスマートデバイスやタブレット端末、PCなど、最大5台までを一つのアカウントで利用することができます。さらに、Eメールやコラボレーション、ビデオ会議などの機能を備えています。「Sharepoint Online」では、買収したYammerのSNS機能を一部実装しています。また、クラウドサービスなので、バージョンアップの心配もいらず、自動的にアップデートされます。

――従業員1~250人のSMB向けの「Midsize Business」では、パートナープログラムに仕入販売ができる「Open Lisence」を追加しました。リセラーがさらに販売しやすくなりましたが、マイクロソフトはどのような期待をもっていますか。

ハンセン 日本では、現在「Office」のオープンボリュームライセンスを約9000社のリセラーに販売していただいています。その9000社すべてが、「Office 365」を販売するようにしてもらいたい。そのために、まずは6月末までに4000社に賛同していただき、「Office 365」を販売することが価値のあることなのだということをお客様に伝えてもらう基盤にしたいのです。さらに、2013年末までには、約9000社のすべてのリセラーにトレーニングを受けてもらい、販売してほしいと考えています。

――チャネルの拡充に、相当力を入れているのが伝わってきます。何か具体的な支援策はあるのでしょうか。

ハンセン リセラーだけの努力で「Office 365」が売れるとは思っていませんので、さまざまなトレーニングや営業活動で支援していかなくてはなりません。トレーニングに関しては、リセラーに対して3か月強のトレーニングをすでに始めています。これは、今後も継続していきます。

――マージンやインセンティブは、リセラーにとっての大きな収益源です。この点はいかがですか。

ハンセン リセラーの営業活動を奨励する収益モデルは、当然つくります。「Office 365」に関しては、リセラー各社が潤沢なマージンを獲得できるよう価格を設定していただくことができますが、それだけではなく、マイクロソフトからのインセンティブやイベント、マーケティングのバックエンドでの支払いを設定しています。通常のオンプレミスの「Office」を販売するときの3倍くらいの潤沢なインセンティブを用意しています。

――マイクロソフトは、「Office 365」に限らず、販売プランやパートナープログラムを複数用意しています。この狙いは何なのでしょうか。

ハンセン リセラーが収益性を高めるためには、選択肢を与えることが最適だからです。チャネルに関して、ほかのベンダーとマイクロソフトの大きな違いは、選択肢を与えているかどうかということです。ほかのベンダー各社は、選択肢が一つしかなくて、「これでやってください」としかいいません。しかし、マイクロソフトは、プライベートクラウドやパブリッククラウド、オンプレミスなど、リセラー各社の意向に沿った選択権を与えています。マイクロソフトが上段に構えて、「これを売ってください」と強いるのではありません。どのような組み合わせであっても、「リセラーと協力をしていきましょう」という姿勢なのです。これは、今後も貫きたいと思っています。

――ありがとうございました。

米マイクロソフトでグローバルのSMB市場向けビジネスを統括する
トーマス・ハンセン バイスプレジデント

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