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2015/02/13 14:56

ニュース

PWLC 2015、「Systems of Insight」で顧客に価値を、パートナーの変革も強く促す

【ラスベガス発】米ネバダ州ラスベガスで開催されている米IBMのビジネス・パートナー向け年次イベント「IBM PartnerWorld Leadership Conference(PWLC) 2015」では、10日のゼネラル・セッションで、担当の幹部から、事業ごとの戦略が語られた。

 PWLC 2015のテーマは、「Vision to Value」。「データ」「クラウド」「エンゲージメント」にシフトするという変革へのビジョンを打ち出した昨年のPWLCを受け、米IBMは2015年を、その実践によってエンドユーザーに新しい価値を提供すべき年と位置づける。ユーザーにとって価値のあるIT投資を実現するには、ITベンダー側がユーザーの業務を深く知ったうえで、新しい技術の習得を継続しながら適材適所で最善の技術を組み合わせ、ビジネスを成長させるためのソリューションを提案しなければならない。目立ったのは、決して新しくはないこうしたメッセージを噛んで含めるように多くの登壇者が繰り返したことだ。裏を返せば、パートナーが従来の「ハコ売り」を脱して新しい価値をユーザーに提供するという動きは、米IBMにとってまだまだ不十分なレベルだということ。結果、「Transformation」や「Transforming」、つまりは「変化」や「変形」といった言葉が多用され、米IBMが従来以上にパートナーに変革を強く求めている状況が浮き彫りになった。

SoRのSoEの融合でSoIに導く

 冒頭、マーク・デュパキエ・グローバル・ビジネス・パートナー担当GM(ゼネラルマネージャー)が、事業分野にかかわらず包括的なパートナー支援を行う体制として「The One Channel Team」を整備したことを宣言した(既報)が、続いて登壇したのは、スティーブ・ミルズ・ソフトウェア&システムズ担当シニア・バイスプレジデント(SVP)兼グループエグゼクティブだ。変化し続けるビジネス環境に適応してユーザーが「儲ける」ためのITとは何かについて、持論を展開した。

 ミルズSVPの結論は、従来の業務システムなどを指す「Systems of Record(SoR)」と、モバイル、ソーシャルなど、人と人をつなぐための比較的新しい領域のシステム「Systems of Engagement(SoE)」を融合させ、「Systems of Insight(SOI)」に導く必要があるというもの。「insight」とは洞察という意味だが、つまりは業務システムに蓄積された構造化データと、SNSなどの普及で爆発的に増加した非構造化データを合わせて分析することで、ビジネス上の意思決定に役立つITシステムを提案すべきという主張。「IBMの技術と知識、ノウハウをパートナーに活用してもらい、一緒にこの新しい市場を開拓していきたい」と会場に訴えた。ちなみにinsightも、今回多くの登壇者のプレゼンで数多く使われた言葉だ。

スティーブ・ミルズSVP

クラウドはオープンエコシステムで拡大

 クラウド分野を所管するロバート・ルブラン・ソフトウェアクラウドソリューションズ・グループ担当シニア・バイスプレジデント(SVP)は、クラウドベンダーとしてのIBMの優位性を強調した。仮想化によるマルチテナントでの利用はもちろん、物理サーバーをプライベートクラウドのように使うこともできるIaaSの「SoftLayer」や、OSSベースのPaaS「Bluemix」などの自社商材を引き合いに出しながら、「ユーザー企業はクラウドのインフラにとらわれず自由な選択肢をもちたいと考えていて、どこかのプラットフォーム、どこかのクラウドだけにずっととどまらなければならないというのはニーズに合っていない。IBMのクラウドは、インフラ、プラットフォームはもちろん、ソフトウェアでもオープンであることを約束している」と強みを説明。さらに、「70%のビジネス・リーダーが、今年、ハイブリッド・クラウドに投資する計画があるとしていて、パブリック、プライベート、ハイブリッドをすべて提供できる当社のクラウドにより、案件の幅は大きく広がるはず」とパートナーに呼びかけた。

 一方でルブランSVPは、「オープンなクラウド」という戦略を進める以上、「自社ですべてを提供するのは無理」とも話し、「パートナーの皆さんにエコシステムに参加していただきたいし、それがパートナーの利益にもなる」と訴えた。

ロバート・ルブランSVP

 エコシステム・ディベロップメント担当のサンディ・カーター・ソーシャル・ビジネス・エバンジェリストも同様に、「クラウドのムーブメントをパートナーの皆さんと一緒に乗り越えたい」と発言。一方で、そのためには「新しいスキルを身につけ、需要をつくり、パートナー自身がビジネスを成長させていくというプロセスが必要」とも話した。米IBMのパートナー支援策として、創業5年未満のスタートアップに12万ドルを支援するプログラムも紹介し、既存のビジネスにとらわれていない、「クラウドを売る」ための新たなリセラー開拓に乗り出す方針も明らかにした。

サンディ・カーター・ソーシャル・ビジネス・エバンジェリスト

Watsonの再販プログラムも紹介

 PWLC 2015会期中の2月10日に、日本IBMとソフトバンクテレコムの戦略的提携が発表された「Watson」については、リセラープログラムが紹介され、会場の注目を集めた。Watson事業のCMOを務めるスティーブ・ゴールド・パートナープログラム/ベンチャーインベストメント/IBM Watsonグループ担当バイスプレジデント(VP)は、「すでに100社以上がこのプログラムに登録している。ISVやSIer、デジタルエージェンシーなどを対象にパートナーを拡大していきたい」と説明した。

スティーブ・ゴールドVP

 さらにゴールドVPは、「人間の言語を理解し、膨大な非構造型データを処理、分析して“insight”を導き出すWatsonは、世の中を変えることができるテクノロジー。ヘルスケアやリテール、ライフサイエンスなど、すでに展開されている用途もあり、2018年までには、米国だけでも市場はものすごい規模になる」と話し、SoIを実現するキーテクノロジーの一つとして、Watsonの市場拡大に対する期待感を示した。

 このほか、アナリティクス、コマース、セキュリティ分野についても戦略を発表。アナリティクス、コマースについては、パートナーが顧客の業務や業種・業態に対するノウハウを蓄積し、専門性を発揮したうえでソリューション提案をし、SoIを実現する重要性を再度説いたほか、グローバルでは、セキュリティ分野でもトップブランドであることを再度パートナーにアピールした。

「IBM Beacon Awards 2015」のトロフィーを受け取るAITの大熊社長(中)

 ゼネラルセッション中には、ビジネスパートナー向けの「IBM Beacon Awards 2015」の表彰も行われた。この日は、日本のビジネスパートナーからAITがOutstanding enterprise Cloud solution部門に選出され、大熊克美社長にトロフィーが授与された。(本多和幸)

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