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2016/09/01 09:17

連載

[週刊BCN 2016年08月29日付 Vol.1642 掲載]

<標準化の波が車載システムを襲う 黒船 AUTOSAR>第14回 ツールベンダーも対応を急ぐ ガイオは“先手必勝”で優位性を発揮

 自動車の制御用OSとしてAUTOSARの採用が進むなか、関連するツール類もAUTOSARに対応する必要性が増している。組み込みソフトの検証ツールなどを開発するガイオ・テクノロジーは、AUTOSARの普及を見越して2010年の段階で対応を決定。日本のツールベンダーとして最も早い時期に欧州にあるAUTOSAR開発コンソーシアムのパートナーとして参画している。

岩井陽二
取締役  ガイオ・テクノロジーが開発している検証ツールは、自動車向けの組み込みソフトの品質管理の用途でも広く活用されている人気商品だ。しかし、AUTOSARを開発している有力OSベンダーも、開発や検証に関わるツール開発に力を入れていることから、AUTOSAR非対応のままではシェアを切り崩される恐れがあったが、「自ら率先してAUTOSARに対応する」(岩井陽二・取締役兼エンジニアリングサービス本部長)として、先手を打ってきたのだ。

 AUTOSARはオープンアーキテクチャであるため、OS単体で差異化することは難しい。このためAUTOSAR開発ベンダー各社は、自社で開発しているAUTOSARに最適化したツール類を充実させることで、ある種のユーザーの“囲い込み”を推し進める傾向がみられる。ガイオ・テクノロジーのAUTOSAR対応では、この点に着目し、「特定のOSベンダーに依存しない中立性の高い開発や検証環境の実現」(同)を前面に打ち出すことで、自社ツールの優位性をアピールしている。

 また、ガイオ・テクノロジーが検証ツールをはじめとする各種ツールを開発するにあたって、重視しているのが開発現場でのエンジニアリングサービスだ。ECU(電子制御ユニット)の開発現場では、AUTOSARに関する技術支援を受けたいというニーズが高まっており、こうした顧客向けにエンジニアリングサービスを提供する割合も増えている。

 エンジニアリングサービスでは、国内で早いタイミングからAUTOSARを研究してきた同社の技術陣の優位性を存分に発揮する一方で、ユーザーがAUTOSARを採用する過程で、どのような課題に直面するかも浮き彫りにしてきた。同社では開発現場で直面した課題や知見を自社のツール開発に還元することで、「AUTOSARベースの開発においても、かゆいところに手が届く、使い勝手のいいツール」(同)へと改良を重ねている。

 直近の売れ筋商材は、安全を規格化したISO26262に準拠した安全コンセプト設計を支援するツール「Safilia(セイフィリア)」や、セキュリティ脅威分析支援ツール「SecuLia(セキュリア)」など。安全性を優先する自動車向けの組み込みソフト開発ならではの需要がある。他にもモデルベース開発のテストツールの「MC-Verifier(エムシーベリファイヤー)」も人気商材となっている。すべてのツールがAUTOSARと直接関係しているわけではないが、開発環境が大きく変わる要因がAUTOSARである限り、AUTOSARベースの開発を見越したツール開発を今後も重視していく。 ...

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