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2010/02/25 10:35

連載

[週刊BCN 2010年02月22日付 Vol.1322 掲載]

システムは縦割りから横串連係へ
NPO法人OCP総合研究所理事長 桑山義明

 現在まで、経済産業省や総務省、国土交通省など、従来の縦割り組織でさまざまな中小企業関連のIT施策や各種電子化施策が実施されてきている。だが、中小企業経営者にとっては、電子入札や電子商取引あるいは情報セキュリティやインターネットバンキング、電子納税などがすべて一気通貫で連係しなくては意味がない。区分された縦割りのシステムでは、効率化にはほど遠い。企業内情報システムも販売管理や仕入在庫管理、あるいは顧客管理や会計処理など業務や組織別の縦割りシステムで構築されている。しかし、ネットを通じてすべての個人や組織がいつでも繋がってくると、縦割りから横串のワンストップモデルが必要となってくる。紙を利用した縦割り業務処理から電子データを利用した横串データ連携の仕事のやり方に大きくシフトしてこそ、大きなIT投資効果がでてくる。

 横串のIT基盤を活用すれば、新しいビジネスモデルが誕生してくることになる。例を挙げれば、「スイカ」や「パスモ」である。人が交通機関を利用して移動する場合に、JRや私鉄あるいはバスや地下鉄など、さまざまな交通機関を乗り継ぐ。途中で自動販売機やキヨスクなどでお茶などを購入するかもしれない。従来なら、すべての交通機関はそれぞれの組織内での販売処理であり、利用者はそれぞれの窓口で乗車券を購入していたが、今では1枚のICカードでストレスなしに乗り継いで移動することができるようになってきた。

 民間であれば顧客重視、官公庁であれば国民・住民重視の視点がこれからますます重要となる。そのためのワンストップビジネスモデルやシステム構築が必要となる。営業部門の見積作成、請求書作成も経理の振込・入金処理も開発のプログラム開発も、ヘルプデスクも実は、すべて接点は顧客であるのだが、同じお客様でも営業は経営者、経理は相手の経理担当、SEは現場の責任者などと、異なる相手と接しているだけだ。これらの接点すべての情報が一元的にわかる仕組みが、顧客情報管理(CRM)である。これもそれらすべての情報がワンストップ、ワンテーブルでわかることが重要なのだ。

 これからの企業間競争は、ネット上での顧客接点獲得競争になってくることは確実だ。そこにクラウドコンピューティングの大きな意味も出てくる。そのことを十分に理解し、ビジネスモデルが提案でき、提供できるITベンダーの登場が待たれている。

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