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2010/09/24 09:18

連載

[週刊BCN 2010年09月20日付 Vol.1350 掲載]

3Dには2Dでは体験できない画質がある
ジャーナリスト 麻倉怜士

 3Dの話題で、意外に語られないのが「画質」である。導入期だから、画質よりも映像の見やすさ、受け容れやすさ、長時間視聴できる快適性のほうが大事かもしれない。だが、私は画質専門家である。それだけでは面白くない。そこで、私が見つけた、3Dならではの画質の魅力の話だ。

 2009年のCEATEC。パナソニックのブースで、トヨタのF1カーを撮影した3D画像を見た。それは異様といってもいいくらいの生々しい質感であった。2Dでは得られない輝き感、光沢感、素材感、光の反射感、色のエネルギー感等が、官能的なボディのアールに乗って、それこそ立体的に私の両目に飛び込んできたのである。富士フイルムの3Dデジタル・スチル・カメラW1を、パナソニックの54インチ3Dプラズマに接続して見た時も、そのリアルさに大いに驚いた。わが愛車、アルファロメオ147を撮ると、車の表面の燦めき感、実体感など、不思議に触覚的なリアリティがあった。

 スカパー!HDの倖田來未3Dライブにも異様な質感があった。今年7月4日、スカパー!HDが、世界初の野外スタジアムでのライブ中継を3時間15分にわたって行った。この映像で驚いたのが、水の反射の素晴らしさだ。ライブの途中で、激しい雨が降り注いだ。その水たまりにライトが反射する尖鋭な光の美しいこと!

 なぜ凄い質感なのか。人の目は、ものの輝度感や色を、すべて反射光を見て感じている。四散する反射光を両目で捉えるのが自然の立体視であり、それなら、一つの視点だけでキャプチャする2D映像よりも、二つの視点で得る3D映像のほうが、よりリアルに近づくという説明がここに成り立つ。右目に入る情報と左目に入る情報に違いがあることが、本物らしいきらきら感や反射感が表現される要因ではないか

 3Dと素材感再現との間の関連性については、CGの世界で以前から研究が進んでいる。2次元CGで光沢感や、クリア感のある画像に対し、当てる光の光度を落とすと素材感が急速に減退する。ところが、その暗い照度であっても、3Dで見ると2Dの当初の明るさの時と同等の素材感が得られる。次に、光の強さを当初と同じ倍にした時は、2Dの場合とは比較にならないほどのリッチな反射感、艶っぽさになるのである。つまり、光量がたっぷりしていてなおかつ反射性の素材であるならば、凄まじい質感が3Dでは見られるのだ。3Dは単に立体に見えるのがお得なだけでない。2Dでは体験できない、映像の感動がそこにはある。

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