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2012/05/17 09:09

連載

[週刊BCN 2012年05月14日付 Vol.1431 掲載]

アマゾンに関する最新ニュース
サイバー大学 IT総合学部教授 前川 徹

略歴

三重県出身、1978年 通商産業省入省、通産省機械情報産業局情報政策企画室長、JETRO NewYorkセンター産業用電子機器部長、IPAセキュリティセンター所長、早稲田大学客員教授などを経て、2007年4月から現職、コンピュータソフトウェア協会専務理事などを兼任。
 今回はアマゾン・ドットコムを取り上げる。理由はニュースが多かったからである。まず4月中旬、1990年代末にビジネスモデル特許として有名になった「1クリック特許」が3月に日本で成立したというニュースが流れた。これは98年9月に出願し、特許庁で拒絶されたものから分割された二つの出願が特許として成立したということらしい。最初の出願からすでに14年を経過している。また、今年中に日本版キンドルが発売されるというニュースもあった。報道によれば、すでに40社以上の出版社と電子書籍の配信について合意したという。さらに4月中旬から日本全国でテレビコマーシャルの放送を始めた。これはアマゾンが書籍以外にもさまざまな商品を扱っていることをアピールするもので、「どんなスタイルでも、見つかるamazon Fashion」がキャッチフレーズになっている。

 いうまでもなく、アマゾンは世界最大のネット小売企業である。しかし、IT業界において注目されているのは、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)と呼ばれるクラウド・サービスである。2011年の年次報告書によれば、AWSを含む非小売部門の売上高は約16億ドルと、アマゾンの売上高481億ドルの3%強を占めるにすぎないが、AWSはクラウドの世界のトップ・ブランドである。米国調査会社のDeepField Networksは、4月、インターネット・ユーザーの3分の1が毎日1回以上、S3やEC2などのAWSを間接的に利用している(つまり、AWSを使っているサイトやサービスを利用している)と発表している。

 また、4月上旬にアマゾンは、AWSのストレージ・サービスであるS3の成長を示す驚異的なデータを発表した。これによれば、2006年末に29億であったS3に保存されているオブジェクト数は、翌年末は140億、それ以降も400億、1020億、2620億と増え、11年末には7620億に達している。12年3月末には9050億になっているので、直近の3か月で1430億も増加したことになる。つまり1日平均15億オブジェクトの増加である。2011年の年次報告書にも同様の数字が記述されており、S3は平均して毎秒50万トランザクション、ピーク時は100万トランザクションを処理しているのだそうだ。もはやAWSは、インターネット・ユーザーにとって不可欠なサービスになっているといっても過言ではない。

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