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2012/06/21 09:09

連載

[週刊BCN 2012年06月18日付 Vol.1436 掲載]

もっと真剣にモバイル導入に取り組め
デロイトトーマツコンサルティング パートナー 八子知礼

略歴

1971年生まれ、愛媛県出身。松下電工(現・パナソニック電工)、外資系コンサルティング会社等を経て現職。ハイテク・メディア・通信業界を中心に、新規事業戦略、業務改革等に従事している。著書に「図解クラウド早わかり」(日経BP社刊)がある。ITProにて“八子・モバイルクラウド研究所”を連載中。
 昨今、モバイルでの業務処理、モバイルでの意思決定が企業経営上の重要な位置を占めるようになっている。しかしながら、コンサルティング活動や講演で、モバイル導入に積極的に取り組むべきという私見を述べると、見て見ぬ振りをするか露骨に反論してくる情報システム担当者や総務担当者に遭遇することが少なくない。私物モバイル端末の持ち込み(BYOD)については日本では流行らないだの、セキュリティが心配だのといった否定意見のオンパレードで、要するに検討したくないのだな、という印象を抱くことが多い。

 そんな状況にあって、6月初旬、衝撃的なニュースが流れた。公務員に対して、私物スマートフォンの業務使用が解禁されるというのだ。共同通信が配信したそのニュースによると、政府は国家公務員の私物スマートフォンに関して、政府機関システムへの接続を含めた業務使用を認める方針を固めたそうだ。重要情報の流出を防ぐためのさまざまなルール整備を行ったうえで、2013年4月をめどに解禁する方向性だという。

 このところのスマートフォンの急速な普及を踏まえ、現状の業務オペレーションの効率化や意思決定のスピード化は、なにも民間だけの話ではなく、当然ながら政府においても課題であったはずだ。そこにこの英断である。監督省庁の方針決定には大いにエールを送りたい。一方で、民間企業の情シス・総務で今までスマートフォンの利用やBYODに反対していた人たちはどう思いながらこのニュースを見ているのか、非常に興味がある。反対を貫いて、ガラパゴスといわれるまで孤立していく道をたどっていくのは大いに結構。具体的な導入に向けて、課題の解決に真剣に取り組んでいただくのは、さらに結構。いずれにせよ、今のスタンスの再考を促されるのは間違いない。

 なにも、「流行だからやるべきだ」といっているのではない。市況が変わってきて実現できる技術があり、そして何よりもユーザーニーズがそこに存在するのだ。むしろ、やらない理由のほうが見当たらない。もちろん、セキュリティ対策、基幹システムの対応や人事制度の見直しなど、看過できない課題も山積みであることはその通りだ。ただ、だからといって検討すらしない、取り組む姿勢すらみせないのは担当者としての職務怠慢以外の何ものでもないはずだ。デスクにかじりついている時代ではない。モバイルデバイスを手にして外に飛び出し、もっと真剣に生産性の改革に取り組もう。

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