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2012/08/23 09:09

連載

[週刊BCN 2012年08月13日付 Vol.1444 掲載]

クラウドサービスで成り立つクラウドサービス
SaaSクラウド・パートナーズ協会 専務理事 松田利夫

略歴

松田 利夫(まつだ としお)
1947年10月、東京・八王子市生まれ。72年、慶應義塾大学工学部管理工学科卒業。94年から山梨学院大学経営情報学部助教授に就任し、現在同学部教授。2000年11月、きっとエイエスピーを設立し、代表取締役社長に就任。現在、「SaaSクラウド・パートナーズ協会」の専務理事を務める。
 クラウドサービスは、そのほとんどが他のクラウドサービスの機能を利用し、それをいくつも組み合わせて開発され、運用されている。この成り立ちを実現するのがウェブ・アプリケーション・プログラム・インターフェースと呼ばれるものである。これにより、すでに実績のあるクラウドサービスのさまざまな機能やコンテンツを利用して、新たなクラウドサービスを短期間に、より少ない工数で開発することができる。

 実際、いくつものクラウドサービスを利用して新たなクラウドサービスを開発し、それを配信管理する仕組みそのものをクラウドサービスとして提供するものも存在している。

 クラウドサービスを開発し、販売するビジネスを考えるとき、このことが大変重要な意味をもつ。クラウドサービス・プロバイダにとって、新たなクラウドサービスを開発する際には、利用するクラウドサービスのプロバイダ個々と技術契約や再販契約を取り交わす必要がある。さらに、開発したクラウドサービスをオンデマンドで販売する際には、そのクラウドサービスが利用する他のクラウドサービスを即座に仕入れ、再販するという処理が同時に行われなければならない。そして、クラウドサービス契約をユーザーが解約する際には、利用する他のクラウドサービス契約もすべて同時に解約処理を行う必要がある。それだけではない、登録ユーザーの管理も、連携データの管理も、利用されるすべてのクラウドサービスに対して一様に処理することを求められる。これらの利用契約や再販処理を個別に手作業で行ったのでは、オンデマンド・サービスとして提供することはできない。これらの処理はすべて自動化されることが望ましく、その手段もクラウドサービスとしてすでに提供されている。

 さらに、クラウドサービスの導入にあたって、ユーザーのニーズに合わせたカスタマイズが必要という考え方があるが、個々のクラウドサービスをカスタマイズできる余地はあまり期待できない。むしろ、ここで述べたように、ユーザーニーズに適合した機能をもつクラウドサービスをいくつか組み合わせて、別のサービスとして構成するという方法がより実践的である。

 このように、クラウドビジネスに取り組む際には、これまでのソフトウェアビジネスとは大きく異なるサービスの開発および構成方法と、それに伴う取引の契約形態の違いに対する的確な理解が不可欠となる。

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