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2012/08/30 09:09

連載

[週刊BCN 2012年08月27日付 Vol.1445 掲載]

「情報化推進国民会議」の提言
サイバー大学 IT総合学部教授 前川 徹

略歴

前川 徹(まえがわ とおる)
三重県出身、1978年 通商産業省入省、通産省機械情報産業局情報政策企画室長、JETRO NewYorkセンター産業用電子機器部長、IPAセキュリティセンター所長、早稲田大学客員教授などを経て、2007年4月から現職、コンピュータソフトウェア協会専務理事などを兼任。
 7月30日、「情報化推進国民会議」の専門委員会主査として、大島敦総務副大臣に、提言「わが国における今後の電子行政推進にむけて」を手交してきた。この提言は、全国の市および特別区809自治体を対象に行ったアンケート調査に基づいてとりまとめたものである。

 提言は、今後の電子行政の目指すべき姿として次の四点を指摘している。

 まず「国民の立場に立った制度や仕組みのシンプル化」では、自治体業務のBPR(業務改革)を行い、行政手続きの簡素化・標準化を進めるよう提言している。このなかには、本紙1月23日号のこの欄で取り上げた外字の統一化や、各自治体における住民票や印鑑証明書などの各種帳票様式の統一、行政サービスごとに微妙に異なる「世帯」という概念の統一を提案している。

 二番目の提言、「行政組織間における情報共有・連携」では、自治体内、府省間、自治体間、自治体と各府省、あるいは行政機関と一定の範囲の民間企業との間での情報共有、情報連携を進めるよう提言している。行政機関内および官民の壁を越えた情報連携ができれば、住所が変わっても引っ越し先の自治体に転入届を出すだけで、年金、健康保険はもちろん、運転免許証、電気、ガス、電話、金融機関等の住所も自動的に変更することができる。また、各種手続きで要求される住民票の写しなどの証明書類の添付が不要になり、行政事務の効率化と行政サービスの向上が可能になる。

 第三の提言は「強力なリーダーシップを持つ自治体CIOと政府CIOの設置」である。多くの自治体はCIOを設置しているが、形式的になっているところが多い。また、各府省にもCIOが存在するが、縦割り行政の弊害を排除するためにも、総理大臣の下に政府全体をカバーする政府CIOが必要である。

 そして、最後の提言は「国主導による自治体クラウドの推進」である。すでにいくつかの自治体では共同アウトソーシングを実施しているが、国がリーダーシップをとってディザスタ・リカバリやBCPを考慮した自治体クラウドを整備し、全国の自治体がそれを利用するようになれば、大幅な経費削減と事務の効率化を実現できる。業務の標準化、情報連携も容易になるし、災害に強い行政システムを実現することもできる。

 政治は混迷状態にあるが、行政サービスの向上と国民負担の軽減のため、これらの提言の早期実現を期待したい。

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