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2012/10/04 09:09

連載

[週刊BCN 2012年10月01日付 Vol.1450 掲載]

モバイル時代のセンスを日常的に養え
デロイトトーマツコンサルティングパートナー 八子知礼

略歴

八子 知礼(やこ とものり)
1971年生まれ、愛媛県出身。松下電工(現・パナソニック電工)、外資系コンサルティング会社等を経て現職。ハイテク・メディア・通信業界を中心に、新規事業戦略、業務改革等に従事している。著書に「図解クラウド早わかり」(日経BP社刊)がある。ITProにて“八子・モバイルクラウド研究所”を連載中。
 Googleから転じて米YahooのCEOに就任したMelissa Mayer氏は、先頃、全社員に対してスマートフォンの購入費用を補助し、いくつかの最新機種から選べるようにすることを発表した。もちろん、端末を使用する際のデータ通信料を負担することも含まれる。iPhoneを含む最新機種から選べるということもあって、社員は大いに喜び、士気が上がっているという。

 ここで重要なのは、その導入目的だ。トップに就任したばかりのMelissa氏が社員の人気を得ようとして打った施策というわけではない。自社のユーザーたちがすでに使用しているスマートフォンを、Yahooの社員が率先して利用してみることで、ユーザーがどのようにスマートフォンを使うのか、どんなことで困っているのか、どんなサービスを提供する事が望ましいのかなどについて、自らがユーザーとなって体験させることを狙っているのだ。

 この施策によって、Yahooのさまざまな既存ウェブサービスのユーザビリティの向上を図り、新しいサービスや、エクスペリエンスを提供しようとしていることは想像に難くない。ユーザーとして体験したことが、いずれマスユーザーにも耐えうる新たなサービスへと育っていくのだ。Yahooのような先進企業の話をしようとしているのではない。そのようなモバイル環境はあたりまえと捉えて、この大きな変化のトレンドを日常的なセンス、風土として社内に取り込むことが極めて重要な時代になっていると言いたいのだ。

 MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)の普及予測によれば、スマートフォンの導入は法人の伸びが37%前後なのに対して個人の伸びは50%以上、しかも台数規模では1対4と圧倒的に個人の普及度合いが大きくなっている。この状況下においては、個人ユーザーのほうが圧倒的にスマートフォンに馴染み、新しい使い方を経験し、現状のさまざまなサービスに不満をもっていることが多いと容易に推察できる。

 B2Cビジネスの話だとタカをくくってはならない。企業のカスタマーサポートや情報提供のためのウェブサイトなどさまざまな顧客接点において、スマートフォン対応が不十分なために不便な思いをしているユーザーが大量に発生し始めている。企業自らがモバイル化に積極的に取り組むことで、その活用センスを養い、企業風土として醸成していくことに努めよう。日常的な自社利用を通じてこそ、お客様目線での対応センスが身につくのだ。

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