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2013/04/25 09:10

連載

[週刊BCN 2013年04月22日付 Vol.1478 掲載]

番号制度関連法に期待するもの
サイバー大学 IT総合学部教授 前川 徹

略歴

前川 徹(まえがわ とおる)
 三重県出身、1978年 通商産業省入省、通産省機械情報産業局情報政策企画室長、JETRO NewYorkセンター産業用電子機器部長、IPAセキュリティセンター所長、早稲田大学客員教授などを経て、2007年4月から現職、コンピュータソフトウェア協会専務理事などを兼任。
 3月22日、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案」など番号制度関連4法案が衆議院本会議で審議入りした。これは2012年2月に国会に提出されながら審議入りできずに廃案となった「マイナンバー法案」を、自民・民主・公明の3党で協議して修正したものである。おそらく今国会で法案は成立するだろう。この法案の成立によって、行政事務が効率化されると同時に、少しでもより公平でより公正な社会になることを期待したい。

 この法案にはそれとは別に個人的に期待するものがある。それは公的個人認証サービスを利用した民間企業によるネット上の本人確認である。これが可能になると、ネット上でのなりすましが極めて困難になり、インターネット・バンキングやインターネット・トレードの安全性を格段に高めることができる。

 一般に、インターネット上の本人確認は、IDやパスワード、重要な取引では第2パスワードやあらかじめ配布した乱数表の数字の入力によって行われている。しかし、なりすましによる事件は後を絶たない。もし公的個人認証サービスが直接利用できるようになれば、インターネット上の取引はかなり安全になる。

 ただ、現在サービス中の公的個人認証サービスは、署名検証者を政府機関や政府が認定した電子認証機関等に限定しており、ネット・バンキングなどを提供する企業が直接利用することはできない。おまけに、現在の公的個人認証サービスは電子署名用のシステムになっているため、本人確認の際には常に住所や氏名などの情報が署名検証者に送られてしまい、ログイン手段としては適切ではない。

 今回の番号制度関連4法案のなかには、公的個人認証法の一部改正が含まれており、電子署名用の鍵ペア(秘密鍵と公開鍵)とは別に、インターネット上の安全なログインのための電子利用者証明用の鍵ペアを設けること、署名検証者の範囲を拡大して総務大臣が認める民間事業者を追加することが含まれている。

 つまり、この法案が成立すれば、新しく交付される個人番号カードには、インターネット上の安全なログイン手段として用いることのできる暗号鍵が組み込まれ、その仕組みを銀行や証券会社などが直接利用できるようになるだろう。そうなれば、なりすましやフィッシング詐欺に怯えることなくインターネットを利用できるようになる。これはネット・バンキングなどの利用者にとっては朗報である。

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