2010年1月、日本IBM(橋本孝之社長)は、全国の中堅企業向けビジネスを伸ばすために、「パートナー&広域事業部」という新組織をつくった。この組織は、パートナーを支援する部門と全国のSMB(中堅・中小企業)と一部の大手企業に直販する部門を統合して誕生。SMBマーケットでは、直販を捨て間接販売に徹するという意思の現れだった。
東北地方にも日本IBMの支援を受けてユーザー企業をサポートしているSIerが存在する。シンエイシステムという岩手県に本社を置くITベンダーで、東日本大震災で被災した企業の復興支援活動を、日本IBMの協力をもとに推進。岩手県大船渡市に事務所を構える大船渡市農業協同組合(JAおおふなと)には、震災後、迅速にシンクライアントの導入を進めた。首都圏にも事例はある。SIerのクオリカは、生産管理システム「AToMsQube」で、日本IBMのOS「IBM i」対応版を日本IBMのサポートをもとに開発。開発・検証施設として、米IBMの開発環境を借りた経緯があり、「IBMの環境が使えなかったら、発売日は遅れていたはず」と、荒河睦美・アトムズキューブ室担当部長は語っている。
「当社の体制に不満が多いことは承知している」。連載の第1回目で日本IBMの伊藤昇・広域事業部長は、パートナー&広域事業部が発足する前、パートナービジネスで抱えていた課題をこう説明した。その課題を解決するために、日本IBMはおよそ2年の期間をかけて、地道なパートナー支援活動を全国均一に展開してきた。その成果は、さまざまな地域で着実に実を結んでいることを、この連載の取材を通じて、強く感じた。(木村剛士)
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