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2012/07/05 09:26

連載

[週刊BCN 2012年07月02日付 Vol.1438 掲載]

<ITベンチャー新時代の鼓動>第7回 ニッチではない市場を攻略 名刺管理の需要を掘り起こす

 ITベンチャー企業の事業は、ニッチであるのが普通だ。だが、例外もある。大多数のビジネスパーソンにとっての悩みの種である「名刺管理」がその例外の一つだ。名刺管理向けソリューションは、数多くのITベンダーが開発・販売に乗り出しており、種類や数を把握するのは難しい。そんなメジャーな市場に、ITベンチャーの参入が相次いでいるのには理由がある。

 名刺管理ソリューション「Link Knowledge」を開発する三三(寺田親弘社長)の独自調査によれば、法人営業に携わるビジネスパーソンのうち、67.2%が名刺管理に課題を感じ、「かさばって整理しきれない」「必要な時に名刺が見つけられない」「顧客情報の入力に手間がかかる」といった悩みを抱えていることが明らかになっている。

 また、情報を流す相手を制限するという条件つきで名刺情報を社内で共有することには抵抗があまりないものの、名刺を保有するのは企業ではなく個人であるという考え方が根強いこともわかった。秋山真咲・取締役CTO Link Knowledge事業部エンタープライズ営業部長は、「人脈の見える化が“最後の聖域”」と表現し、「規模が大きい企業ほど、名刺は会社全体の資産だという意識が薄くなる」と説明する。

 ITベンチャーは、膨大に広がるこの未開拓市場に攻勢をかけている。三三は、特許を取得している「人事異動情報の通知」機能などを強みに、中小企業から大企業にかけて、全方位で国内外のユーザー獲得に邁進している。

 大阪市に本社を置くもぐら(小林伸泰社長)は、「安価・カンタンを売りに、フリーランスでも気軽に使える」ことを謳う「メイシー」を提供。価格は、月額500円(2ユーザー目から)からとなっている。絞り込んだ名刺リストを、「筆まめonline」年賀状の印刷形式のCSVファイルでエクスポートしたり、Salesforceのリードデータにインポートしたりできる。企業の一部門や小規模企業、フリーランサー、スタートアップ企業など、100社以上をユーザーに抱える。

 ソーシャルグループウェア(上田祐司社長)の取り組みも興味深い。「LISTER」は、ダウンロード後にユーザーアカウントを登録するだけで、メールの署名部分を自動的に抽出・解析し、ユーザーごとに連絡先情報をリスト化して、場所や時間を選ばず、リスト化された連絡簿から名刺情報を引き出せる。価格は無料。法人向けを有料にするなどの構想をもつが、収益モデルはまだ描くことができていない。これから先の動きに要注目だ。(信澤健太)

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