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2012/08/02 09:22

連載

[週刊BCN 2012年07月30日付 Vol.1442 掲載]

<ITベンチャー新時代の鼓動>第11回 ITベンダーの関心度合いをみる 賞金でベンチャーを支援する動きも

 最近のITベンチャー企業は、クラウド基盤を活用して、低コスト・短期間でウェブサービスを開発するという特徴がある。その多くが、最初からグローバル展開を見据えて事業を展開している。このような新興のITベンチャーに対して、既存のITベンダーは、さまざまなかたちでアプローチを強めている。開発や運用の環境を無償で提供したり、事業計画の作成を支援したりするケースもあれば、出資することもある。

 ITベンチャーのデジタルコーストは、セールスフォース・ドットコムと資本提携し、国内ITベンチャーキャピタル(VC)などと合わせて総額約1億円の資金を調達した。同社は、コラボレーション機能の「Chatter」を組み込み、勤怠管理やプロジェクトの原価管理ができるクラウドサービス「チームスピリット」を提供している。

 国内ITベンダーにも同様の動きはみられないのだろうか──。外資系ITベンダーのようなかたちの支援を行っている大手ITベンダーはそれほど多くはない。ただ、ITベンチャーに対する関心が高いという様子はうかがえる。

 「弥生スマートフォンアプリコンテスト」を開催している弥生は、自社が主力とする領域の会計業務や販売業務を補完するAndroid/iPhoneアプリを募集し、弥生ユーザーの業務効率を向上させるスマートフォンアプリを表彰している。弥生が用意する賞金は、応募者のための“軍資金”であって、同社がアプリの著作権を買い取るという考えはない。

 弥生シリーズ連携アプリ部門で、グランプリを受賞したのがクラウドキャストだ。開発した「bizNote for 弥生会計」は、簿記や会計の知識をもたない人でも使えて、オフラインでの入力もできる経費入力アプリだ。交通費や消耗品費、接待交際費など、領収書がたまりやすい経費項目を初期設定として用意している。ビジネスに合わせて、項目をカスタマイズすることもできる。予算管理だけでなく、傾向分析チャート機能も搭載し、従業員から経営者まで幅広く業務を支援する。

 大手ITベンダーからは、“尖った”サービスを生み出す社内ベンチャーが育っている。ウェブアプリケーション統合基盤「intra-mart」を開発するNTTデータイントラマートは、NTTデータの社内ベンチャーから事業を開始し、2000年に専門会社として独立した経緯がある。一方で、ITホールディングスグループのTISの社内ベンチャーとして誕生し、大企業向けSNSなどを提供するソニックガーデンが、TISからのマネジメント・バイアウト(MBO、経営陣買収)を実行した事例もある。(信澤健太)

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