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2012/11/01 09:13

連載

[週刊BCN 2012年10月29日付 Vol.1454 掲載]

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>100.吉田運輸(上) 経営改善は緊急課題


吉田勝治
常務取締役
吉田運輸
事業内容:埼玉・東京で運送業を手がける
従業員数:17人
経緯:経営が赤字体質に陥り、さらに国内市場の需要低迷や縮小、運賃水準の低下、原材料価格の上昇など、外部環境も厳しさを増しており、課題が山積していた。
 埼玉県所沢市の吉田運輸(吉田清子代表取締役)は、1979年の設立で、地域密着型の小規模運送業を手がけてきた。吉田運輸は、10年ほど前から吉田勝治常務取締役が主導して、ITを活用した経営に取り組んできた経緯がある。その背景にあったのは、自社は経営環境の変化に対応できるのかという強い危機感だったという。

 1990年代初頭、吉田常務の父親で、当時の社長だった治雄氏は、多額の借金をして土地を購入した。だが、バブル経済が崩壊して、長期にわたって景気が低迷し、企業倒産が相次いだ。吉田運輸は大口の顧客を失い、赤字に転落。苦しい台所事情のなかで前社長は病に倒れ、大学を卒業して自動車メーカーに勤めていた吉田常務が呼び戻されてバトンが渡された。

 吉田常務は、「当時の借金が2億円。経営の何がどう悪いのかが不明なまま、改善しなければならないという喫緊の課題だけが浮き彫りになった」と振り返る。国内市場の需要低迷や縮小、運賃水準の低下、原材料価格の上昇など、外部環境も厳しさを増しており、課題は山積していた。「5年後、10年後を考えると、荷主を確保するには新規顧客の獲得しかないと感じていた」。

 吉田常務は、まずは自力で車輌別売上データベース(DB)の構築に取り組んだ。Microsoft Excelを駆使して、車輌別に輸送サービスを分析することで、日次の売り上げを振り返りながら改善策を練ることができるようになった。吉田常務は、「車輌別の収益状況を把握することで、どこの荷主や車輌が赤字なのか一目瞭然になった。こうして初めて運賃交渉のテーブルにつけるようになった」と、確かな効果を実感している。Excelで分析した数値を用いた不採算荷主への交渉を通じて、運賃の値上げを認めてもらった。また、配送ルートの見直しなどによって車輌の燃費数値を5.6km/1Lから6.1km/1Lに改善することもできた。

 DBの構築と並行して重視してきたのが、ウェブサイトを活用した企業ブランドや顧客接点の強化だった。外部のコンサルタントやITコーディネータの力を借りながら実現に向けて、着実な歩みを進めてきた。(つづく)(信澤健太)


吉田運輸の営業所

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