ページの先頭です。

2010/06/01 11:35

連載

<定石を再考する~調査データの裏に見えるSMBの実態~>第1回 「クラウド時代に“情シス”は不要」は本当か?(1/2)

プロフィール

岩上 由高(いわかみ ゆたか)
1971年、東京都生まれ。96年3月、早稲田大学大学院理工学研究科数理科学専攻修了。ジャストシステム、ソニーシステムデザイン(現ソニーグローバルソリューションズ)、フィードパスなどを経て、07年にノークリサーチ入社。シニアアナリストとして、IT産業の調査・研究、コンサルティングを手がける。主な著書に「AdobeAIRの基本と実践」(日経BP社刊)などがある。
 2010年も、中堅・中小企業(SMB)のIT投資は厳しい状況だ。2010年2月に実施したIT投資意欲指数調査では、『IT投資DI』(※1)はマイナス17.5と、依然として縮小方向の値を示している。

(※1:2010年3月以降のIT投資額が2009年11月ー2010年2月の投資と比べてどれだけ増減するかをたずね、「増える」という回答比率から「減る」という回答比率を引いたもの)

 とはいえ、いつまでもIT投資を凍結したままというわけにはいかない。実際、2009年11月と比較すると、IT投資DIの値は改善してきており、投資の理由として、クライアントPCの入れ替えや基幹系システムの更改を挙げるユーザー企業が多い。システム更新を後回しにしてきたものの、さすがにこれ以上は延ばせない状況になっているわけだ。

 更新需要とはいえ、それなりの予算は必要だ。不況下で必要な費用を捻出するためには、どこかを削らねばならない。そこで、年商5ー500億円の中堅・中小企業1600社に対して「2010年中に投資を抑える予定の項目として筆頭に挙げられるもの」をたずねた結果が以下のグラフである。

2010年中に投資を抑える予定の項目として筆頭に挙げられるもの

 いずれの年商帯でも、「IT関連担当人員の増強」への投資を減らすという回答の比率が高くなっている。ハードウェアなど、削減対象となる項目はすでに出尽くしている。さらなる削減のためには、「ヒト」の領域に踏み込む必要があることを示した結果といえるだろう。

 この結果で捉えられるもう一つの観点がある。それが、「クラウドを活用すれば、情報システムをお守りするIT関連担当人員は必要なくなる」というものだ。確かに社内で運用していたサーバーが手元から離れれば、それを運用管理していた人材の労力は不要となる。ITコストを少しでも削減したい経営者にとっては、魅力的な提案に映るだろう。

 安価なクラウド関連サービスも数多く登場し、利用料金だけをみれば中堅・中小企業にとっても十分利用可能な金額レベルとなっている。こうした背景を根拠に、「クラウド時代に情シスは不要。経営者は自社の業務だけに集中し、ITはすべてクラウドに任せればよい」といった「情報システム部門不要論」が唱えられることがある。果たして本当にそうなのだろうか? この定石を再考する。

■おすすめの記事





PR

週刊BCN購読のお申し込みはこちら

Bizline会員サービス(無料)のご案内 新規会員登録はこちら

PR










ITジュニアの広場

「ITセミナー・イベント」コーナーで注目商品・サービスなどのセミナーを一挙公開!

過去の掲載記事一覧

ITビジネス情報紙「週刊BCN」

ITビジネス情報誌「週刊BCN」
2017年04月10日付 vol.1673
Survive or Die !? AI時代のIT業界 2017 今、知っておくべきAIとのつき合い方

2017年04月10日付 vol.1673 Survive or Die !? AI時代のIT業界 2017 今、知っておくべきAIとのつき合い方

「週刊BCN」購読お申し込み
BCN Bizline ITを売るパートナービジネスの創造を

「BCN Bizline」は、株式会社BCNが保有する登録商標です。(商標登録番号第5388735号)