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2011/01/12 17:24

連載

<定石を再考する~調査データの裏に見えるSMBの実態~>第8回 小規模企業は中堅・中小企業を延長した裾野ではない(1/2)

プロフィール

岩上 由高(いわかみ ゆたか)
1971年、東京都生まれ。96年3月、早稲田大学大学院理工学研究科数理科学専攻修了。ジャストシステム、ソニーシステムデザイン(現ソニーグローバルソリューションズ)、フィードパスなどを経て、07年にノークリサーチ入社。シニアアナリストとして、IT産業の調査・研究、コンサルティングを手がける。主な著書に「クラウド大全」(日経BP社刊、共著)などがある。
 中堅・中小企業(SMB)は、大企業の「ミニチュア版」ではなく、単に大企業向け製品・サービスを簡略化・低価格化しただけでは、彼らのニーズを掴むことは難しい。このことは、周知の事実といってもいいだろう。

 SMBの数は、大企業よりもはるかに多い。年商500億円以上の大企業が約3500社存在するのに対し、年商5億円以上500億円未満のSMBは約20万社にもおよぶ。それだけのポテンシャルがあるからこそ、大企業向け製品・サービスの焼き直しではない新たなソリューションを展開する意義がある。

 SMBにおける基本的なITインフラ(サーバー/ストレージ/ネットワークなど)の導入は、ほぼ一巡した状況といっていいだろう。もちろん、今後も更新需要やサーバーの仮想化活用のような新局面に応じた導入は見込めるが、新たな分野で製品・サービスが爆発的に導入されるものは少ない。SMB市場は、企業規模や業態・業種に応じたきめ細かなソリューション提供が求められる局面に入ってきたといえるのだ。

 一方、大企業やSMBとは比べものにならないほど膨大な数の企業がいるのが、年商5億円未満の「小規模企業」だ。日本には約420万社の企業があるが、大企業が約3500社でSMBが約20万社ということは、残り400万社弱は小規模企業ということになる。

 昨今は、これら小規模企業にもIT機器ベンダーの熱い視線が注がれている。この市場は、例えばストレージでいえば、バッファローやアイ・オー・データ機器といった老舗ベンダーが強みを発揮しているセグメントだ。デジタルデータの活用が進むにつれて、小規模企業でもデータ保全に関する意識が高まっている。そのため、比較的安価なUSB接続型外付けハードディスクや、NASストレージであってもRAIDやホットスワップに対応した機種が多くみられるようになっているのだ。

 2010年9月には、米Data Roboticsが日本法人の設立を発表。同社のストレージ機器「Drobo」は、容量拡張やデータ保全が手軽にでき、海外の小規模企業や個人事業主などから高い評価を得ている。このように、小規模企業を対象としたIT機器ベンダーの取り組みは、にわかに活発化してきている。

 大企業やSMBを主戦場としてきた大手ベンダーも動き始めている。シスコシステムズは、海外で展開している「スモールビジネス」シリーズ(ルータ/スイッチ/無線アクセスポイント/ストレージ)の国内での販売を開始した。また、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は、「HP Proliant MicroSever」や「HP StorageWorks X510 Data Vault」など、低価格でコンパクトながら、企業用途に応える製品を相次いで投入している。

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