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2015/04/30 09:09

連載

[週刊BCN 2015年04月27日付 Vol.1577 掲載]

<畔上編集長が今、いちばん気になるクラウド>第3回 定番パッケージ製品の未来はクラウドで開けたのか 新たな価値はどこに

 利用企業が1万社を超えたサイボウズのクラウドサービス群「cybozu.com」。そのなかで、定番パッケージ製品の「サイボウズ ガルーン」のクラウド版が「Garoon on cybozu.com」だ。大規模なお客様向けのグループウェア、ガルーンがクラウド化したことで、ユーザーやパートナーにどのようなメリットをもたらしたのか。また、クラウド化によってどう進化したのか。短期集中連載の3回目となる今回は、ガルーン視点でのサイボウズのクラウド戦略について、ガルーン プロダクトマネージャーの池田陽介氏に聞いた。

気になるグループウェア サイボウズ ガルーン

●ガルーンが生んだ二つの功績 大企業開拓とパートナー網の整備

 サイボウズがガルーンを発売したのは、今から10年以上前の2002年。「サイボウズ Office」で中小企業のユーザーを獲得していたサイボウズが、次の挑戦として投入した製品だった。コンセプトは、「つながる・ひろがる・おてがる」。大企業向けガルーンのリリースによって、サイボウズのユーザーのすそ野は大きく広がった。また、ガルーンの発売を機に、サイボウズはパートナービジネスを開始。それまでの直販に加えて、一気に販売網を広げることに成功する。大企業向けグループウェア市場への参入と、パートナー網の整備──。ガルーンのリリースは、サイボウズにとって、この二つの重要な意味があった。

●クラウド版ガルーン 疑心暗鬼だったパートナー

サイボウズ
ガルーン
プロダクトマネージャー
池田陽介氏
 大企業市場を着実に深耕しているなか、cybozu.comの開始を機に、ガルーンもクラウド化を果たす。直販とパートナーを経由した間接販売でアプローチするが、当初はすんなりとはいかなかった。

 池田氏は打ち明ける。「クラウド版ガルーンをリリースした当時、パートナーは『本当に売れるのか』『利益が減るのではないか』と疑心暗鬼。従来のオンプレミス型システムの構築を中心に据えていた」。ここで挫折してしまうパッケージベンダーも少なくない。ところが、サイボウズは突き進んだ。

 「時間が経つにつれて、ユーザーはモバイルワークスタイルの確立や、災害対策の一環で、クラウドを求めるようになった。それに伴い、二の足を踏んでいたパートナーはニーズを実感して、徐々にクラウドを扱うようになっており、クラウドのみを扱う新規パートナーも参入してきている。当初はクラウドにおけるパートナー販売比率は低く、サイボウズの直接販売が大きな割合を占めていたが、現在クラウドの約60%はパートナーを経由した間接販売で獲得したものとなっており、この比率は年々伸びている」と、池田氏は状況の変化を実感している。

●ガルーンの進化“連携”という新たな価値

 クラウド化によって、ガルーンにどのような価値がもたらされたのか。それは“連携”だ。

 cybozu.comには、複数のクラウドサービスがラインアップされている。なかでもアプリケーション開発・実行基盤である「kintone」とクラウド版ガルーンの相性は抜群だ。両クラウドの連携にはAPIやプラグインが提供されているため、データ連携を容易にしている。例えば、プラグインを利用することでガルーンで共有されているスケジュール情報をもとに、kintone上で作成した顧客情報への往訪履歴の記録をするという使い方ができる。グループウェアと業務アプリケーションの連携により、蓄積したデータの活用範囲を広げていくことが可能だ。

 「ガルーンだけでは、ユーザーの個別業務をすべてサポートすることはできない。しかし、その部分はkintoneで補完できると考えている。ガルーンと連携する業務システムをつくり、組み合わせることによって、ユーザーの満足度は高まる。実際にそうした事例が出てきており、グループウェアしか扱っていなかったパートナーが、kintoneを活用したクラウドならではのビジネスを展開するケースが非常に増えてきた」と池田氏は語る。

 オンプレミス版のグループウェアでマーケットをリードしてきたサイボウズ。同社が放ったクラウド版ガルーンは、クラウド化しただけではなく、連携という新たな武器をもっている。そこにはパートナーが果たす役割が必ずある。

編集長の眼
オンプレミス版との両立を実現

 快走を続けるクラウド版ガルーンだが、クラウドゆえに越えなければならない壁がある。「“クラウド”」というワードに抵抗感をもつユーザーはいまだ少なくない。だが、クラウド版ガルーンには、大規模案件においても十分な実績がある。そこをアピールすることで、クラウドに対する負のイメージを払拭していきたい」と、池田氏は語る。導入実績と安定稼働実績を前面に押し出し、ユーザーの意識を変えていく考えだ。

 クラウド版ガルーンを活用し、追加したい機能があれば、開発が容易なkintoneを利用する。両者の補完関係が、サイボウズのクラウドサービスを強固なものにしている。では、kintoneからみると、どのようなクラウド戦略が浮かび上がるのか。次回は、kintoneの魅力と独自のポジションを築くに至った背景などに迫る。

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