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2017/04/05 09:10

連載

[週刊BCN 2017年03月27日付 Vol.1671 掲載]

<おさらいキーワード>第11回 囚人のジレンマ、モンテカルロ木探索

囚人のジレンマ

 意思決定を数学的に分析するゲーム理論の代表例。個人にとって最適な選択をしても、全体としては最適な選択にならないことを示す。

 2人の囚人が、取り調べを受けた状況で考えるのが一般的。個別に取り調べを受けた2人は、取調官から次のような条件を提示された。

(1)2人とも黙秘なら、それぞれ懲役2年
(2)2人とも自白したら、それぞれ懲役5年
(3)1人が自白し、もう1人が黙秘したら、自白した方は釈放、黙秘した方は懲役10年

 この場合、最もよい選択はどれか。2人にとって有利なのは、一緒に黙秘することだ。しかし、個人の利益を考えると、相手が黙秘すると考えて、自白した方が得策となる。

 協力するか、裏切るか。どちらが有益かは、1人では判断できない。板挟みになって、どちらがいいか決められなくなるため、「囚人のジレンマ」となった。

 ちなみに、全体の利益を最大にすることを「パレート最適」と呼ぶ。一方、自分の利益を優先し、全体として利益が得られなくなることは「ナッシュ均衡」という。

 最近では、AI(人工知能)を使ったゲームで、協力するか、裏切るかを調べる実験が実施された。

 囚人のジレンマは、カナダ出身の数学者、アルバート・タッカー氏が1950年に考案した。半世紀以上がたった現在でも、企業の値下げ競争のほか、外交や政治、社会など、幅広い分野の事象を囚人のジレンマで説明できる。

モンテカルロ木探索

 2006年にフランスの研究者、レミ・クローン氏が発見した探索方法。英語で「Monte Carlo Tree Serch」と表記し、頭文字をとって「MCTS」と略す。

 同じような名前で、モンテカルロ・シミュレーションがある。乱数を使って次に起こることを予測する方法で、モナコ公国のカジノを破産に追い込んだという話が有名だ。名称は、米国の数学者、フォン・ノイマン氏が考案した。カジノがあったモナコ公国の地区名が由来になったといわれている。

 MCTSは、モンテカルロ・シミュレーションに、木探索を組み合わせた仕組み。具体的には、複数の選択肢を同じ回数だけシミュレーションした後、効果があった選択肢により多くのシミュレーション回数を割り当てるという方法をとる。

 MCTSが有名になったのは、レミ・クローン氏が開発した囲碁AI(人工知能)プログラム「Crazy Stone」の登場がきっかけ。「Crazy Stone」は、MCTSを採用し、多くの大会で優勝する輝かしい戦歴を築いた。

 盤が広い囲碁は、将棋やチェスよりもAIの導入が難しいと考えられてきた。しかし、MCTSを使うことで、囲碁AIの能力は従来より飛躍的に進歩した。

 最近では、MCTSを採用した囲碁プログラムの「AlphaGo」が、囲碁の世界チャンピオンに勝利し、世界的に大きな注目を集めた。

 このほか、時間の進行に合わせて戦略を決めるリアルタイムストラテジーゲームなど、ゲームの分野でも使われている。...

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