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2012/11/22 09:23

連載

[週刊BCN 2012年11月19日付 Vol.1457 掲載]

<使いやすいIT管理製品とは?――日本クエストのソフト群に見る一考察>6.SharePointの活用を促進する新ツール ドキュメント共有を劇的に効率化

 企業内のシステム管理者向けにデータ保護などIT管理製品を揃える日本クエスト・ソフトウェアだが、今年7月には、そのなかでも“異色”の製品として、マイクロソフトのコラボレーションツールの利用促進とデータ容量の削減などを実現するツール「Quest AttachThis」を日米同時リリースした。前号で紹介したNotes移行ツール「Notes Migrator」で「Microsoft Exchange Server」などへマイグレーションした後に、利用者の利便性を高めるエンドユーザー向け製品だ。企業内のドキュメント管理と情報漏えいを防止する目的で使うユーザーの獲得を狙う。(取材・文/谷畑良胤)

システムコンサルティング
マネージャー
石井 洋介 氏
 以前は「Quest DropThis」という名称でフリーウェアとしてテスト提供されていたものを正式に製品化し、提供を開始したのが「Quest AttachThis」である。このツールには、エンドユーザーのローカル環境に導入する「Microsoft Outlook」アドインのみのフリーウェア版と、「Microsoft SharePoint Server」のサーバー側にも追加コンポーネントを実装する有償版の「AttachThis Pro」の2種類がある。

 例えば、SharePointには、ドキュメントを共有して複数人での編集作業などを効率化するライブラリ機能がある。このSharePointの基本機能が使われず、一方で、添付メールの行き交いが増えることで、Exchangeのストレージ容量が肥大化するという悩みを抱える企業は多いはずだ。フリーウェア(DropThis)として提供された頃から正式投入を待ち望んでいた日本クエストの石井洋介・システムコンサルティングマネージャーは、「マイクロソフトのコラボレーションの利用環境を劇的に変える製品だ」として、急速な波及を期待する。

 SharePointやExchangeを利用する多くの企業は、次のような利用上の課題を抱えているはずだ。本来は、SharePointのドキュメント管理機能を使って共有すれば問題ないはずだが、複数の担当者にメールで添付ファイルを送信し、各受信者が元ファイルに修正を加えて返信してくる。複数人が“修正版”を添付して元の送信者に戻すことで、送信者は、再度、修正した内容を元に新たなファイルを作成する手間が発生する。また、送信者側も受信者側のローカル環境もファイルで溢れ、あるいはファイルサーバーに格納してサーバーの容量に悪影響を与えている。メール主体の情報共有がはびこることで、SharePointの利用が減り、Exchangeのストレージ容量やネットワーク・トラフィックの負荷が増すことにもなるのだ。

 「AttachThis」は、こうした課題を解決に導く製品だ。まず、Outlookアドインのフリーウェア版を使えば、Outlookでメールにファイルを添付し送信するだけで、SharePointのドキュメント管理機能(ライブラリ)へ自動的にファイルが蓄積される。そのメールには、SharePointの保存先URLが添付され、受信者がそのURLをクリックすると保存場所(ライブラリ)に行くことができ、その投稿場所で修正作業ができる。「もっと簡単にSharePointに投稿する方法はないのか、という声をよく聞く。AttachThisを使えば、簡単に投稿・共有・修正ができ、SharePointの利用を促進することができる。1MB以上もある添付ファイルを減らすことができれば、Exchangeの負荷軽減につながる」(石井マネージャー)という。

 一方、SharePointへインストールする有償版「AttachThis Pro」は、フリーウェア版の機能に加え、閲覧権限設定といったセキュリティ機能が搭載されている。従業員が作成するドキュメントのうち、全体で共有する前に一部の担当者で検討・修正を加える作業がある。その際、SharePointの保存先のURLをクリックしてファイルを閲覧できる担当者を権限設定できる。メールの受信者(To、CC、BCC)にのみ、SharePointに投稿された添付ファイルへのアクセスを許可するなど、「コンテンツへのセキュリティも自動的に確実にできる」(石井マネージャー)わけだ。

 Outlookの利便性を向上し、SharePointの利用活性化とExchangeのストレージとネットワーク・トラフィックを削減し、快適なコラボレーション環境を実現するのが「AttachThis」だ。

 「AttachThis」は今後、マイクロソフトの大容量オンラインストレージサービス「SkyDrive」にも対応する予定で、クラウド環境での共有が可能になる。「AttachThis」は、既存のメールフィルタリング製品と競合するが、「あくまで、マイクロソフトのコラボレーション環境を改善する特化製品だ」(石井マネージャー)と説明する。同社では、すでにニーズが顕在化している「Notes Migrator」の販売と並行し、マイグレーションした後の付加価値製品として「AttachThis」を売り込む考えだ。

 「Simplicity At Work─仕事をシンプルに」。クエスト製品は、複雑化する企業のIT管理をシンプルにして、ITインフラ全体のコスト削減を支援する。米国では、6分野/約170種類の製品が販売されているが、今後、日本の企業システム環境の変化に応じて、順次投入してくることが予想される。


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