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2012/04/05 09:24

連載

[週刊BCN 2012年04月02日付 Vol.1426 掲載]

<シャープが先導する「グリーン調達」>第1回 プロローグ REACH規則強化の波が到来

 電子・電気製品に含まれる化学物質の管理を厳格化する欧州の「REACH規則」や「RoHS指令」が、中国やインド、ベトナムなど新興国に波及し、家電メーカーなど各社では、含有化学物質管理の重要性が増している。この厳格化の流れに対応するためにシャープは、06年12月の「REACH規則」制定を契機に含有化学物質管理体制を強化。自社製品の部材調達先(サプライヤー)から製品や拠点別に情報収集・集計するシステムの構築を進めてきた。

 最近、部材の含有化学物質情報のより正確で迅速な収集が求められてきており、「グリーン調達」に係わるサプライチェーン全体の管理強化が一段と重要になってきている。シャープのサプライヤーは1次取引先だけで3000社以上に達する。サプライヤーの管理レベルをさらに引き上げるためには、これら取引先に事務作業などの負担を強いることになる。

 「グリーン調達」のサプライチェーン構築に尽力するシャープの清水正雄・環境安全本部グリーンプロダクト企画推進部長は、「年を追うごとにお手上げの状態になりつつあった」と、苦悩の日々を振り返る。そんな折、大阪に本社を置くデータベース(DB)ベンダーのeBASE(常包浩司社長)を知った。シャープは、同社が提供する化学物質関連情報管理DBシステム「GREEN eBASE」を使って、昨年、新しい独自システムを構築した。

 新システムは、直接取引のない2次取引先以降の部材・部品メーカーなどを含め、eBASEが提供する無償ソフトウェア(フリーミアム)「eBASEjr.」を配布し、使った化学物質の種類や量をパソコンで入力してもらう仕組みだ。対象は、塩ビ製の電源コードなどに使うフタル酸エステルなどの化学物質で、2次以降の取引先も含めて、国内外で1000社を目標に参加を促す。日本、中国ではすでに参加要請を始め、タイやマレーシアなどにも拡大する計画だ。

 その一方で、シャープは「サプライヤーの視点に立った教育や指導環境の整備と、ソフトを使った迅速で正確な環境情報の収集を可能にする仕組みが必要」(清水部長)と考えて、サプライヤーが実践すべき事柄を周知徹底するために、eBASEと共同で「GREEN Cloud Concierge Counter(GCCC)」と称する会員制のポータルサービスを構築した。eBASEの窪田勝康・取締役は「シャープに限らず、どの家電メーカーも抱える課題で、この先進事例を他のメーカーにも横展開し、業界の発展に寄与したい」と話す。

 この連載では、両社が共同で取り組んだサプライチェーン構築の道のりと、今後の課題を検証する。(谷畑良胤)


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