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2012/05/17 09:26

連載

[週刊BCN 2012年05月14日付 Vol.1431 掲載]

<シャープが先導する「グリーン調達」>最終回 産業界全体に波及する必要性 海外調達先が増加の一途、SC構築を急ぐ

 シャープが「グリーン調達」のサプライチェーン(SC)を構築する目的で導入したeBASEの化学物質関連情報データベースシステム「GREEN eBASE」は、同社に限らず、化学物質を扱う業界へと利用が波及している。例えば、化学物質のリスク管理実現に取り組むアーティクル(成形品)マネジメント推進協議会(JAMP)に関わる化学品企業の有志プロジェクトは、欧州の「REACH規則」などで必要な川上事業者と川下事業者のサプライチェーン間の双方向情報伝達ツールとなる「OR2IS(オーリス)」をeBASEに実装して2011年10月に市場へ投入した。システム開発はeBASEが担当している。

 オーリスには三井化学、花王や豊田通商など約20社が参加。原材料をつくる化学メーカーから調剤メーカー、商社・輸出企業まで網羅している。シャープと同様にeBASEのデータ入力・情報提供用のソフトウェア「eBASEjr.」を顧客(バイヤー)や部材調達先(サプライヤー)などへ無償配布している。

 シャープの場合は、こうしたツールの提供に加え、サプライヤーの全階層で実践すべき事柄を周知徹底することを目的に、eBASEと協力して、含有化学物質管理を総合的に支援するクラウド型のポータルサイト「GREEN Cloud Concierge Counter(GCCC)」を開設している。化学物質を扱う業界全体を巻き込んだサプライチェーンを構築するために英語、中国語でも啓発を続けているのだ。

 シャープの初期の「グリーン調達」体制を築き、今年度(2012年3月期)、大阪の本社から中国拠点に転籍した清水正雄・SCIC(中国統轄会社)環境推進統轄兼グリーンSC推進室長が、「一次取引先の捕捉はできつつある」という。先行する同社ですら、二次取引先を含めたSCを構築するには、まだ時間を要するとみられる。

 同社の場合、部材調達先は「海外が約7割を占める」(清水統轄)。その割合は年を追うごとに増えている。それだけに、年間1万5000円(中国では約1000元)で使えるGCCCのユーザーとして、中国サプライヤーを先行して強化している。GCCCの利用社数は、日本国内のサプライヤーが80社に対し、中国だけで414社に達している(11年10月現在)。

 eBASEの窪田勝康取締役は「こうしたツールを必要と感じてくれる業界内の危機意識が育たなければ、メーカーと取引先のしっかりしたSCの構築は実現しない」と、警鐘を鳴らす。シャープも「当社に限らず、他のメーカーとも啓発活動などで連携していく必要がある」(清水統轄)と話す。

 eBASEの「GREEN eBASE」はいまや、化学物質を扱う企業のフリーミアムな“EDI”ツールとして業界で幅広く使われ始めた。含有化学物質情報の収集・提供体制を築くことが日本のものづくりの阻害要因にならないよう、eBASEのツールなどを利用して、業界全体でSC構築をする時期にきている。(谷畑良胤)

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